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 ミッション「百獣の王キマイラを討て!」

 5階にいるボス「キマイラ」を倒すミッションである。

 5階の奥の部屋へ足を踏み入れた瞬間、ユウツキたちは辺りを満たす殺気に戦慄を覚えた。

 殺気は一つや二つではない。

 間違いない。

 ココニイル。

「オーケー、オーケー。殺ってやるぜ」犬歯をむき出しにして笑うユウツキ。

 幸い相手は、合成獣といっても、生物の内臓をぐちゃぐちゃにかき回してかき集めたフレッシュゴーレムタイプではなく、普通の幻獣タイプ。メンタル面でのダメージは大きくはない。

 キマイラはハンパではない強さで、死にかけるユウツキたち。

 しかし苦戦しながらも、あと一押しのところまでキマイラを追い詰める。

 だがキマイラの咆哮で、そこに更なるモンスター「獣王のしもべ」が参入してきた。

 ぽっこんぽっこん現れる獣王のしもべ。

「風呂場のきのこっすかー」イータが毒づく。

 ザコには構わずキマイラを集中攻撃してなんとか倒したユウツキたちだったが、更にぽっこんぽっこんやってくる獣王のしもべ。

 ウゼェ。

 普通ボス倒したら終わりではないのか。

 最後の一匹を倒し終えると、

「いや、強敵でしたね」とジミーが言った。

「お前、何してたんだ?」あからさまに不機嫌そうに目を細めるユウツキ。

「一緒に戦ってましたよ、僕どんだけ影薄いんですか」

「やはり四人ではキツかったですね」ガンこがイータに言う。

「何でナチュラルに僕無視するんですか」

 とにかく、キマイラを倒したユウツキたちは腰を下ろした。

 満足感と心地良い疲労に包まれていると、どこか遠くから獣の遠吠えが聞こえた。

 それはフロースガルの犬がいた方向だったかもしれない。

 街に戻ったユウツキたちは、公宮にキマイラを倒したことを報告しにいった。

「感激しておる」と大臣は言った。

 今回の公国からの報酬は1500円だった。

 …………。

 微妙。

 いや、一応以前の三倍の額の報酬は嬉しいのだが、なんか素直に喜べない。

 こっちは命がけで公国の脅威を取り除いたのだ、もう少しくれてもいいんじゃないですか。

 しかし微妙な顔をするユウツキとは対照的に、クリスティは満面の笑みで大臣に握手を求めた。

 大臣の手をしっかりと握り、礼を言うクリスティ。

「ありがとうございます。これで肉まんを15コ買えます」

「って、全部食費にするっすかー」

 イータのチョップがクリスティの後頭部にヒットした。


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 迷宮の5階を探索していたユウツキたちは、獣の咆哮を聞いた。注意深く辺りを見回すと、地面に点々と落ちる赤い染みを見つけた。

「誰ですかー、こんなところでフランクフルトを食べたのはー」とクリスティが言った。

 イータがすかさずツッコミを入れる。

「違うっす。この状況からどうしてそういう風に考えられるっすか」

「そうだな、ケチャップ=フランクフルトという発想に囚われることはない。これは量的にみてケチャップ・トーストの可能性の方が……」

 イータがチョップを繰り出す。

 痛い。

「お前も違うわ。てゆーか、ケチャップ・トーストって何すか?」

 ユウツキは人さし指を立てると、

「ケチャップ・トーストというのは我が家に代々受け継がれている、トーストに厚さ一センチくらいケチャップを塗った料理で、おふくろの味だ」と得意げに言う。

「そんなモンを受け継ぐな。あんたの母親は何人っすか」

「そんな残酷なことは言うべきではない」

 と、ガンこが言うが、そっちの方が傷つくわ。

 残酷って言うな。

 その間、血痕の検分をしていたジミーが言った。

「この血はまだ酸化していません。北側の通路へと続いていますがどうしましょうか?」

「行きましょう。この血が人間のものなら、この血痕の先に怪我人がいるはずです」ガンこが真っ先に突き進む。

 ユウツキは肩をすくめると、仕方ないなと呟いた。

 血痕は北側の通路を東に折れていた。

 その先にいたのは一匹の犬だった。

 フロースガルが連れていた犬。

 彼の姿はない。

 ガンこが歯噛みし、くっ、と小さく呻いた。

 ここは樹海で、迷宮で、

 樹海に挑む、迷宮に挑むということは、

 つまりはそういうことなのだけれど、

 それだけのことなのだけれど……。

 ユウツキはため息をつき、肩をすくめる。

「まあ、あいつには借りがあっから、何とかしてやんねーとな。とりあえず、街で情報収集といきますか」

 街に戻ったユウツキたちは住人たちに5階の状況を訊いて回った。

「5階にいる魔物はいろんな獣が混じったヤツだぜ」

「5階にはすげえ化け物が出るって聞いたぜ」

「5階の最奥に潜む魔物はレベルが違うぜ」

「5階に向かった幾多の冒険者が命を落としたぜ」

 …………。

 何故にこの街の住人たちは、日曜日にデパートに行ってきたみたいなノリで語るのか。

 名高いギルド・ベオウルフが壊滅させられた場所なのですよ。

 宿に戻ったユウツキが自分の部屋のベッドに横になり、ぼんやりと天井を見ているとドアがバタン、と急に開いた。

 焼きそばパンをほおばった少女がもごもご、となにかを言う。

「何か用か?」

 少女はもくもくこくん、と口の中身を飲み込むと、

「公宮から来るように言われましたよー」と言った。

 これ、絶対ヤバい話だよな。

 案の定、ヤバい話だった。

 大臣の話は校長先生のスピーチのように無駄に長かったが、要約すると、

「5階にいるキマイラとかいうやつを退治して来い」というものだった。

 大公宮としては、このような危機を見過ごすわけにはいかぬとか言っていたが、ユウツキたちの危機は普通に見過ごされているのはどういうことですか。

 ここはノーと言える日本人のユウツキとしては断りたかったが、ユウツキは既に公国の民であったのでノーとは言えなかった。

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 クエスト「青い碑」

 公宮から出された、街道の修理に使う天河石を5個集めるクエストである。

 たったの5個で街道の修復が可能だとは思えないので、これは複数のギルドにオファーを出している公共事業的なものなのだろう。

 一つのギルドに一括発注して、より安価で購入するということをしないのは明らかに税金の無駄遣いである。

 そんなことだから、報酬が500円という悲劇が繰り返されるのですよ。

 しかしこの天河石、樹海のあちこちに落ちているのだが、一日2個までしか持って帰れない。

 なるほど、だから5個集めろということなのか。それでもやっぱり一ギルド辺りの採集量をもう少し多くしてもいいと思う。

 そのときユウツキはそう思っていた。

 ユウツキたちは樹海に赴き、藪をかきわけ天河石を探す。

 時間はかかったがなんとか5個見つけることができた。

 ここで問題になってくるのが、持ち帰り方法である。

 ユウツキは少し考えてから、ジミーに言う。

「5個のうち2個までしか持って帰れないなら、残りの3個をお前が食べろ」

 袋に入らない分はお腹に入れて持ち出すというみかん狩り作戦。

「何で僕が?」ジミーが意外そうに言う。

 こいつは何を考えて石を探していたんだ。

「クリスティでもできそうだが、さすがに女の子にやらせるわけにはいかないだろ」

 満場一致で(ジミーは除く)賛成するギルドtookie。

「それはそうだけど、いやそうじゃないけど、無理なものは無理ですよ」

「大丈夫だ。鶏だって胃袋の中に小石が入っている」

「僕は鶏じゃないし、それ、明らかに小石じゃない」

 ジミーはイータに助けを求める。

「イータ、何とか言ってよ。鳥と人間は進化のだいぶ前の方で分岐してるとか」

「わたしは小食だから」

「何でこういうときだけそっちにまわるの?」

「大丈夫です。あなたならやれます」とガンこが言った。「多分……」

「多分って何ですか? 多分って」

 ユウツキたちは抗うジミーを取り押さえると、口の中に無理やり石を詰め込んだ。

 嚥下する音が響く。

 少ないより多い方が良いということで、ガンこがノリで更なる石を拾ってきた。

 人間、限界への挑戦が必要だ。

 ユウツキがもう一つ石を食べさせようとしたとき、ジミーの意識は既になかった。

 なるほど、5個が人間の限界なのか。

 ユウツキたちは街へ帰り、酒場の親父に天河石を納入した。

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 ミッション『行方不明の衛士を探せ』

 行方不明の衛士を探すミッションである。

 磁軸の柱を使い扉の前まで行くとフロースガルが話しかけてきた。

 彼はユウツキたちを見て複雑そうな表情を浮かべて言う。

「衛士たちが行方不明になったのは、多くの鹿が狂ったように暴れているからだ。君たちがここから先へ進むというのなら気をつけた方がいい」

 事情は分かったのでユウツキが、さあ公宮に帰ろうと回れ右をすると、イータがチョップを繰り出した。

 痛い。

「ちょっと待つっす」

「私たちの目的は衛士たちを救助することです。何をしているのですか」

「いや、彼らもう駄目だって。大臣だってできたらとか言ってただろ?」

「諦めが早過ぎます」

「人生諦めが肝心だって」

「それは使い方を間違えてます」

 フロースガルは嘆息すると今度は通してくれた。

 扉を開けてみると、地面は鮮血で染まり何人もの衛士たちの死体があった。

 イータの表情が凍りつく。

「え……」

 ガンこは彼女の両肩を掴み真っ直ぐに瞳を見つめる。

「しっかりしてください。今私たちがしなければならないことは何ですか?」

「そ、そうね。まだ生きてる人がいるかも知れないっすから、探さないと」

 そのときユウツキが一匹の大鹿が右手にのびる細い通路を塞いでいることに気付いた。

 ガンこは斜にかけていたバッグから鹿せんべいを取り出し、ジミーに渡した。

「これを」

 ジミーは受け取ったせんべいを恐る恐る大鹿に差し出してみる。

 大鹿は濁った赤い瞳で青磁の体毛を揺らすとあっさりと近寄ってきた。

 その隙に他の四人は通路に滑り込む。足早に角を曲がり開けたスペースに出ると傷ついた衛士が一人いた。

 彼は一人で帰れると言ったが、ガンこが連れて帰るといって聞かなかった。

 五人は街に戻ると、負傷した衛士を文字通り病院送りにし、公宮に報告に行く。

 大臣はねぎらいの言葉をくれた。

 そして、今回の報酬はなんと破格の五百円である。しかも五人でですよ。

 明らかに最低賃金法に抵触している。もしかしてこの国にはそういう法律が無いのか。ユウツキが公国の民になったことを地味に後悔していると、珍しくクリスティが不満を言った。

「ちょっと待ってくださいー。もう少し貰えないんですかー」

 彼女の中の等価交換物の概念はこうである。

 肉まん一コ百円。

 今回のミッションでは肉まんを六コ消費した(クリスティが二コ食べた)ので、赤字である。

 大臣は難しい顔をすると、

「わしにはお主らを無職にするくらい割り箸を綺麗に割るくらいに簡単なのじゃよ」と言う。

 ええー。一国の大臣が脅迫とかしてくるの。

 しかも、割り箸綺麗に割るのは微妙に難しいし。

「冒険者なんて無職みたいなもんだし、あたしはそんなの怖くありませんよ」

「そのツッコミは悲し過ぎるっすよ」

 それ以上ゴネても埒があかなそうだったので、、四人は諦めて公宮を後にした。

 ……四人?

 あ、ジミー忘れてた。

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01/24|世界樹の迷宮2コメント(0)トラックバック(0)TOP↑

 公宮に行くとあっさりと中に通された。顔パスのようである。

 こんなに簡単に入れていいのだろうか。仮にも一国の中枢である。セキュリティレベルが低すぎる。

 いや、あえて簡単に入れるようになっているのか。大臣の身に何かあれば直前に訪れた冒険者が犯人、そういうことなのか。

 広間に出ると大臣が困った困った、と呟きながら行ったり来たりしていた。

 ユウツキたちはフロースガルに公宮を訪ねるよう言われたことを告げる。

 大臣は髭を撫で付けると、

「とても危険な任務なので無理強いはできんが、新たな試練を引き受けてはくれぬか?」と言った。

 しかしその目は明らかに死んでもヤレである。

 ユウツキが仕方なく頷くと、大臣はそれを確認してから、

「では、詳細を話すことにしよう」と言った。

 普通順番逆じゃないですか。とても危険な試練って言ったのに。

「実は樹海に巡回に出た公国の衛士が行方不明になったのじゃ」

「何人くらいですか?」

「十人」

「随分と多いっすね」

「うむ。樹海で我々の知らぬ何かが起こっておるのかもしれん。本来なら、ベオウルフや釘バット、いやエスバットのような名高いギルドに頼みたいところじゃが」

 どうしてそこで間違えるんだ、このボケ老人は。いや、釘バット強そうだけど。

「――じゃが、わしはお主らを信じておるぞ」

「信じている、ね」ユウツキが皮肉げに繰り返す。

「頼む。無事なら衛士たちを救ってくれ」

 無事ではないからこのミッションが出されたのではないだろうか。

 やっぱりやめます、とユウツキが言おうとしたがガンこがそれを遮った。

「分かりました。儀を見てせざるは勇なきなりです。その依頼承りました」ガンこは高々と宣言する。

 ユウツキは内心歯噛みする。お前の場合は義を見てせざるは生なきなりだよ、と。

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