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 いつもお世話になっている『仮面の向こう側』の有里さんが掌編企画を立ち上げたということなので、僕も参加してみようと思う。
 
掌編企画「書-kaku-」

  
 媒質体質


 たとえば、真空の中から君に声は届くのだろうか……。
 たとえば、天国の空から君に声は届くのだろうか……。
 たとえば、地獄の底から君に声は届くのだろうか……。
 たとえば、牢獄の中から君に声は届くのだろうか……。
 たとえば、世界の外から君に声は届くのだろうか……。

 言葉を伝えるには媒質が必要で、想いを伝えるには媒体が必要で……。
 伝えたいものが大切なものになるほど、伝えられるものは少なくなる。
 たとえば、本当にたとえばの話なのだけなのだけれど、ぼくの声は君に届いているのだろうか?

 君はぼくの声が聞こえていますか?
 君はぼくの想いを感じていますか?

 何にも気付いてはいない君を見て、ぼくは自分がひとりなのだと知る。
 しかし、人間なんてモノはどこまでいっても、いつまでたっても所詮はひとりなのだ。
 そう噛み締めてぼくはひとり憂う。

 君はぼくの声が聞こえていますか?
 君はぼくの想いを感じていますか?


 拍手してくださった方
 ありがとうございます。



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 コミュニティ「300文字で小説」の作品。
 僕と文芸部シリーズその3です。
 

  バーバパパ

 

 部長は文芸コンクールに出す作品が没になったことに肩を落としていた。

「何がいけなかったというんだ?」

「テーマじゃないですか。バーバパパが第三次世界大戦へ向けてアメリカがNASAで開発中の新兵器だというところに既に無理な感じがしますよ」僕は答える。

 ていうかどんなテーマだ。

「何だと? では問おう、一体バーバパパ以外の何が世界を変えるのかということを」

 バーバパパはそんなアニメじゃねえよ。

「あれか、世代が違う……ということなのか?」

 部長は顎先に手を添え考える。

 ここだけ見ているとカッコいいのに。

 実に惜しい人材である。

「ではメタモンなら……」

「同じじゃないですか」

「全然違うぜ。お金の話とか」

 聞きたくなかった。



 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 


10/15|オリジナルコメント(0)トラックバック(0)TOP↑
 コミュニティ「300文字で小説」の作品を書きました。



   顧問

 

 文芸コンクールが迫る中で僕達は作品の製作に迫られていた。

 文芸部顧問は超お役所役人である。

 作品を渡しに昼休みに行くと、『休憩中だから後にしろ』放課後に行くと『もう帰るから後にしろ』とか平気で言ってくる。

 授業中に抜け出して渡しに行く他に手段がないのである。

 そういうわけなので、僕は今日の最後の授業を途中で抜け出して職員室の前を隠れて見張っていた。

 僕と同じように早めに授業を切り上げた顧問がやって来る。

 僕を見つけ、げっと言う顧問。

 なんだそのあからさまに嫌そうな顔は。

「これ渡しに来ただけなんですぐ帰ります」

「そうか。君とは少し話もしてみたかったんだけど、用事があるなら仕方ない」
 態度が180度変わる顧問。
 
文芸部大丈夫かなあ。

 

 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 HIROKIさんにコメント返信があります。


09/23|オリジナルコメント(2)トラックバック(0)TOP↑
 新しく「300文字で小説」というコミュニティに参加しました。
 その名の通り300文字で小説を書くコミュニティです。
 さっそく一つ書いてみました。

   缶詰

 

 僕が通っている高校は部活ごとに集まって昼食を取るという、カミュの『審判』くらい不毛なシステムが採用されている。

 文芸部の僕はいつも通り部長と相席してご飯を食べる。

 先日幼馴染の女の子と付き合い始めた部長は、

「悪いね。俺、愛妻弁当だから」と言って、鞄から取り出した弁当を机の上に置く。

 カツンと硬質な音がした。

 なんと部長の弁当は――ツナ缶だった。

「愛、欠片も感じられないですよね」

 部長はしたり顔で肩をすくめる。

「そうひがむなよ。お前もその内いい人見つかるって」

 僕がツナ缶を見つめていると部長が、

「そんな目で見ても弁当はやらんぞ。愛もやらんぞ」

「いらねえよっ!」

 僕は冷静につっこみを入れてから自分の弁当を机の上に置いた。


 
 
 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 あとがきです。

09/16|オリジナルコメント(2)トラックバック(0)TOP↑
 十五年目の真実

 空白の玉座。その前の床にへたり込んだ金髪の少年はピコピコと電子音を鳴らしながら携帯ゲーム機を操作していた。
 僕はといえば、母親に早朝に、
「起きなさい。今日はあなたの十五歳の誕生日、王様に会いに行く日よ。今日のために私はあなたを立派な男の子に育てたつもりよ」などとドラクエ的なことを言われ仕方なくこの城にやって来たわけなのだが、いざ謁見の間に通されるとそこには一般的王様イメージの太ったおっさんはいなかった。代わりに空気のように淡い十歳くらいのこの少年がいた。
 少年は裸足だったし、ジャージだったし、椅子に座ってさえいなかったが一応彼が王らしかった。
「あなたには闇の仕事をしてもらいます」少年はコールタールのように濁った瞳で僕を見た。
 少年の鋭い視線に僕は影を縫いつけられたみたいに動けなくなった。
「王、順番にお話しになった方がよろしいのでは」彼の横に控えた大臣的なおっさんが咳払いをして言った。
「そうですね。あなたは何もご存知ないようですから、今から私がこの世界の真実をお教えしましょう」少年はゲーム機を床に置いた。「この国の人間の二十五パーセントが忍者です」
 忍者? と僕は思わず聞き返してしまった。
「そうです。それからこの二十五パーセントの中にはあなたのお父さんも含まれていました。私とあなたのお父さんは生前懇意にしていたこともあり、あなたが十五歳になった暁には私の直属の部下にするという約束もしていました。ですから、あなたを今日ここにお呼びしたんです」
「ちょっと待ってください。僕の父は町役場に勤めていましたけど」
「それはダミーです。忍者とは闇の仕事ですから、他人にはたとえ家族であっても自分が忍者であるということを知られてはいけません」
「でも、証拠がないじゃないですか」
 少年は眉一つ動かさずに、
「では逆に、あなたの周りにいる人間が忍者ではないとどうやって証明できますか?」
 僕の問いには答えずに聞き返してくる。
「否定の証明は肯定の証明よりはるかに難しい」
 いやー、親父ってそんなイタい仕事してたのかー。僕の十五年生きてきた中での最大のカミングアウトだった。
 大臣的なおっさんが再び咳払いをした。
 僕ははあ、と曖昧に相槌を打った。
「ですから、あなたには忍者ってもらいます」
 忍者るとは何語ですか。
「でも、僕は特殊な訓練とか受けてないんですけど。闇の仕事って僕にも出来るんですか?」
「問題ないから今日ここにお呼びし、お話したわけです。忍者に求められるのは特殊性ではなく凡庸さです。あなたの持っているイメージとは全く異なった仕事と考えていただいて構いません」と少年は言った。「報酬は前金で五十万、成功すればもう百万差し上げます」
 懐広っ!
 僕は若さゆえの過ちで少年の言葉に喰いついてしまった。
「この品物を入手してください」少年はポケットから出した紙片を見せた。

「寒い」
 指定された日の前日の午後十時、僕は電気屋の前に敷いたブルーシートの上で店が開くのを待っていた。十一月の夜が地表から熱の衣をはぎ取ってしまったせいで、僕は歯をがちがちと鳴らせながら震えていた。一時間前に買ったコーヒーは既に冷たくなっている。
 僕は腕時計を見た。あと十二時間。
 僕が少年から命ぜられたのはとある新作ゲームを買ってくることだった。
 何度目かのあくびを噛み殺していると店のシャッターが開き、店員が愛想よく挨拶してきた。僕は少年から預かった紙片を渡した。
 店員は苦笑すると、
「整理券をお持ちでしたらお待ちしていただかなくてもよかったのですが」と言った。
 僕は商品を受け取った。
 これのどこが闇の仕事なのだ。少年の理不尽な仕打ちに僕は怒りを覚えた。
 その足で城へと向かう。謁見の間に行くと少年が立っていた。
 彼は口元を緩めると、
「お待ちしていました」と言った。
「これが闇の仕事ですか?」僕は挑戦的に言う。
「ありがとうございます」少年は僕に歩み寄り耳元に口を近づけると小声でささやく。「あなたは私が本当にゲームが欲しかったと思いますか? その箱の中には説明書に偽装させた他国の機密情報が入っています」
 僕は目を見開く。
 たしかに、たしかに少年から渡された紙片、整理券には番号が振ってあった。
 そして、あの店員の口ぶり。
 整理券の番号に対応した品物しか受け取れないのか?
「初めに言いましたよね。この国の人間の二十五パーセントが忍者だと。それは他国の忍者を含めてです。私はゲームを欲しがるただの子供を演じる必要があったんです。伊達にこの歳で王様してるわけではないんですよ」
「じゃあ僕が昨日の夜から並んでいたのにも何か理由があるんですね」
「それは私の趣味です」
 我慢の限界だった。その一言で理性の壁は決壊した。
「てめー、このクソガキ」
「私を罵るのは構いませんが、それは同時にあなたの品性を貶める行為だと認識した方がいいですよ。決着はゲームでつけましょう」
 そう言って顔をほころばせる彼は年相応の少年のように見えた。
 
 
 
 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記から、
 あとがきです。

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