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 迷宮の5階を探索していたユウツキたちは、獣の咆哮を聞いた。注意深く辺りを見回すと、地面に点々と落ちる赤い染みを見つけた。

「誰ですかー、こんなところでフランクフルトを食べたのはー」とクリスティが言った。

 イータがすかさずツッコミを入れる。

「違うっす。この状況からどうしてそういう風に考えられるっすか」

「そうだな、ケチャップ=フランクフルトという発想に囚われることはない。これは量的にみてケチャップ・トーストの可能性の方が……」

 イータがチョップを繰り出す。

 痛い。

「お前も違うわ。てゆーか、ケチャップ・トーストって何すか?」

 ユウツキは人さし指を立てると、

「ケチャップ・トーストというのは我が家に代々受け継がれている、トーストに厚さ一センチくらいケチャップを塗った料理で、おふくろの味だ」と得意げに言う。

「そんなモンを受け継ぐな。あんたの母親は何人っすか」

「そんな残酷なことは言うべきではない」

 と、ガンこが言うが、そっちの方が傷つくわ。

 残酷って言うな。

 その間、血痕の検分をしていたジミーが言った。

「この血はまだ酸化していません。北側の通路へと続いていますがどうしましょうか?」

「行きましょう。この血が人間のものなら、この血痕の先に怪我人がいるはずです」ガンこが真っ先に突き進む。

 ユウツキは肩をすくめると、仕方ないなと呟いた。

 血痕は北側の通路を東に折れていた。

 その先にいたのは一匹の犬だった。

 フロースガルが連れていた犬。

 彼の姿はない。

 ガンこが歯噛みし、くっ、と小さく呻いた。

 ここは樹海で、迷宮で、

 樹海に挑む、迷宮に挑むということは、

 つまりはそういうことなのだけれど、

 それだけのことなのだけれど……。

 ユウツキはため息をつき、肩をすくめる。

「まあ、あいつには借りがあっから、何とかしてやんねーとな。とりあえず、街で情報収集といきますか」

 街に戻ったユウツキたちは住人たちに5階の状況を訊いて回った。

「5階にいる魔物はいろんな獣が混じったヤツだぜ」

「5階にはすげえ化け物が出るって聞いたぜ」

「5階の最奥に潜む魔物はレベルが違うぜ」

「5階に向かった幾多の冒険者が命を落としたぜ」

 …………。

 何故にこの街の住人たちは、日曜日にデパートに行ってきたみたいなノリで語るのか。

 名高いギルド・ベオウルフが壊滅させられた場所なのですよ。

 宿に戻ったユウツキが自分の部屋のベッドに横になり、ぼんやりと天井を見ているとドアがバタン、と急に開いた。

 焼きそばパンをほおばった少女がもごもご、となにかを言う。

「何か用か?」

 少女はもくもくこくん、と口の中身を飲み込むと、

「公宮から来るように言われましたよー」と言った。

 これ、絶対ヤバい話だよな。

 案の定、ヤバい話だった。

 大臣の話は校長先生のスピーチのように無駄に長かったが、要約すると、

「5階にいるキマイラとかいうやつを退治して来い」というものだった。

 大公宮としては、このような危機を見過ごすわけにはいかぬとか言っていたが、ユウツキたちの危機は普通に見過ごされているのはどういうことですか。

 ここはノーと言える日本人のユウツキとしては断りたかったが、ユウツキは既に公国の民であったのでノーとは言えなかった。

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