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 つなぎと手繋ぎ

 誰かが自分の名前を呼んでいる気がした。
 ヒデオの意識が昏い闇の中から浮かび上がってくる。
 ゆっくりと瞼を開いたヒデオの顔を憔悴したコウタが心配そうに覗き込んでいた。
 リンクエイド。
 自身の体力の半分を他者へと受け渡す回復法。
 ヒデオは自分の疲れ具合からコウタもかなり弱っていると推測する。
(そんななけなしの体力で君は何をしているんだ)
 ヒデオは右の脇腹の傷の痛みの波をやり過ごして、
「僕が指揮できなくなったときには一人で撤退するように命じたはずだ」抑揚のない声で言葉を続ける。「君は何をしているんだ。君はこんなところで死んじゃいけない。君には君の帰りを待っている家族がいるじゃないか」
 そんなヒデオとは対照的にコウタは苦笑した。
「どんな状況においても命令を遵守しなければならないなんて命令は受けてないよ。それにさあ、仲間を見捨てて逃げたなんて話を母さんや妹にするわけにはいかないだろ?」
「そうかもな」
(そうか、僕が一人で感傷的になっていただけなのか。そうだよなあ、僕の役目は全員生きて帰すことなんだから)
 ヒデオは不敵に笑うとコウタが差し出した手を掴み立ち上がった。
「そんじゃまあ、反撃開始といきますか」
 再び金剛と対峙する二人。
 ヒデオはコウタの前に出て金剛を見据える。
 その瞳は陽よりも緋く。
 その瞳は血よりも紅く。
 燃えるような赤い双眸で大地へと縫い付けるかのように敵を見ていた。
 神機の先端まで神経を走らせるように。
 神機の末端まで血液を通わせるように。
 神機を身体の一部とイメージするのではなく、身体を神機の一部とイメージする。
 金剛の動きに合わせて戦いは始まった。
 ヒデオはコウタの射線上に位置取り、金剛へと一直線に駆け出して間合いを詰めていく。
 金剛とヒデオではヒデオの方が射程距離が短い。
 それを本能的に理解したのか金剛は無警戒にヒデオに振り下ろすべく両腕を掲げる。
 それでもまだヒデオの射程距離には至らない。
 迫り来る大腕の中でヒデオは小さく身体をすくめた。
 ヒデオに当たってもおかしくないギリギリのタイミングでコウタの一斉射が金剛の顔面を捉える。
 そして自分の間合いに達したヒデオは全身のバネを使いバスターブレードを切り上げる。
 金剛は顔の傷を押さえ一歩二歩と後退した。
 コウタは前方へと走りながら、金剛が下がったことでできたスペースに銃を乱射し雪煙による煙幕を張る。
 同時にヒデオはバックステップで次の一撃のための助走距離を取った。 ヒデオを追い越したコウタは、なんと金剛の足の間をスライディングして潜り抜けた。
 並の神経ではできない無謀な策のように見えるが、ヒデオはそのために布石を置いている。
 不意打ちからの斬撃と雪煙、この二つである。
 先の不意打ちから相手が突っ込んでくるのには別の意図があるのではないのか、と敵の一瞬判断が遅れる。
 そのタイムラグが重要だった。
 しかし、いくらなんでも敵が自分の股の間を通り抜ければ反応せざるを得ないだろう。
 コウタを探し金剛は下を向いた。
 そこに、下がった頭をめがけてヒデオは加速し跳躍し大上段からの渾身の一撃を放った。
 額が割れた金剛は崩れ落ちヒデオに勢いよく返り血がかかった。
「……勝ったの?」
「どうやらそうみたいだね」
 二人は勝利した。
 勝ったことで気が抜けたのかヒデオは思い出したように、
「痛い痛い痛い痛い……」と言いながら脇腹を押さえて雪原をのたうちまわる。
「かっこよくは決まらないもんだね」コウタはやれやれと肩をすくめた。
「ちょ……君、これものすごく痛いんだけど、つなぎの人、手を貸してくれ」
「これは貸しっていうことで」上手いこと言ったみたいな顔で言うコウタ。
 ヒデオは彼の手を取った。
 それはヒデオにとってとても温かいものだった。
  
 
 
 
 拍手くださった方ありがとうございます。
 モチベーションがかなり上がってます。
 本当にありがとう。

 追記から、
 いちごはニガテさんにコメント返信があります。

>いちごはニガテさん
 コメントありがとうございます。
 年明け早々悲しい思いをする人が大量発生するこのイベントは辛すぎると思うのは僕だけでしょうか。
 今年もゲッテルデメルングが再来するのでは? と覚悟していた僕。
 しかし、今年の僕は違った。
 FC2ブログ、地味にですが確実に救われぬ人を救っていますよ。
 
 今年の管理人はデパートの奥の方に隠してある日本語が全く表記されていない安いコーラ(たぶん)を目指します。
 
 
 
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01/06|ゴッドイーターコメント(1)トラックバック(0)TOP↑
この記事にコメント
ピグクリム2
はじめまして、桜庭マナです。
ハガンゴンゴウ軍団未だにクリアできません。
私は、飛行タイプなので、ブレードでジャンプし
斬って斬って切りまくっています。

まいピク申請してもいいですか。
小説、臨場感があり、とっても、ステキでした。
From: 桜庭愛 * 2011/01/08 09:44 * URL * [Edit] *  top↑
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