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 アナグラでやっていたこと
 
 リンドウが行方不明になって一週間、アナグラの空気は梅雨前線のようにどんよりと停滞していた。
 どこにも行けない、そういった空気だった。
 何か大切なものが欠けてしまったと誰もが思っていた。
 リンドウはそう思わせるだけの価値のある人間だった。
 第一部隊は本日の早朝にエントランスに集合するように、との命をツバキから受けていたが、ヒデオは昨晩の遅くまでこっそりと作業をしていたため(男の子にもそういう時間が必要なのだ)、ひとり遅刻してきた。
 しかし、ツバキはヒデオの頭のてっぺんから足のつま先までじっくりと見ると嘆息し、
「あまり無理をするなよ」と言うだけだった。
 それに対し、コウタはかなりのリアクションを取った。
「あれ、今日はしるこじゃないじゃん。なになに? どういう心境の変化?」
 そうなのである。
 今日のヒデオはマグカップに入れたコーヒーをすすっているのである。
「今日は朝ご飯を食べる時間がなかったんでコーヒーだけなんだよ」
「え? だから何でコーヒーなの?」
「スーパーブドウ糖なんだよ」
 スーパーブドウ糖とは脳にマッハで届く砂糖の一種である。
「あなた達、しゃんとしなさい。今からミーティングなんだから」サクヤに怒られるヒデオとコウタ。
 咳払いひとつし、
「本日の任務を《当該地域のアラガミ一掃》に変更する」とツバキが告げた。「なお検査中だったアリサは、快方に向かいつつあるが……、入院のため暫く前線を離れることになるだろう。最後に……、本日をもって神機――及びその適合者であるリンドウは消息不明・除隊として扱われることになった……。以上だ」
「そんな……、まだ腕輪も神機も見つかってないんですよ!」納得がいかないとばかりに食い下がるサクヤ。
 ツバキはそれを熱のこもらない目で見下ろし、
「上層部の決定だ。それに腕輪のビーコン、生体信号共に消失したことが確認された」と言い捨てる。
 まるで、自分に言い聞かせるかのように。
「未確認アラガミの活動が活性化している状況で、生きているかも分からない人間を探す余裕はない」
 そう言ってツバキはヒデオ達に背を向けるとエレベーターに乗っていってしまった。
 彼女は一度も振り返らなかった。
 ヒデオは彼女の背中に打ちのめされ歯噛みする。
 どうして自分はこんなにも無力なのだろうか、と。
 そして、見送ることしかできない自分に。
「ねえ! こんなに早く捜索が打ち切られるなんておかしいわ! 襲われた敵も場所も明らかなのに……、何で!」サクヤがヒステリックに叫ぶが、
「大丈夫ですよ」ヒデオはクールに答えた。
「何が大丈夫なのよ! 何でそんなに冷静でいられるのよ!」
 ヒデオの肩をガックンガックン揺らすサクヤ。
「こけしじゃないんですから揺らすのやめてください。首がもげます」
 コウタがなんとか割って入って事態を収める。
「だから大丈夫なんです。任務の名前はアラガミ一掃ですが、やることはリンドウさんの捜索と同じですから」
「それってどういうこと?」
 興奮し再びヒデオの肩をガックンガックン揺らすサクヤ。
「あんまりシェイクしないでください。キモチワルイ」
「まあまあ、サクヤさん、とりあえずヒデオの話を聞きましょうよ」
 ヒデオはミティングルームまで隊のみんなを連れていった。
「この前、僕が話した策戦の話なんですが、僕がひとりアナグラに残って別行動してたことは知っていますよね」
「ああ、ひとりアリサの寝顔を見てにやにやしながら和菓子食ってたやつね」とコウタ。
 確かに食ってたけども。
「つなぎの人。僕には他にもしなければならないことが山のようにあるのだよ」
 否定はできない、むしろ肯定してしまうヒデオであった。
「ミッションのシステムの掌握の方ね」
「その通りですサクヤさん。現状、フェンリル極東支部のミッションの発令に関してはアラガミ特別対策室という機関が一手に引き受けています。てこずりましたがなんとかそこの実質的なナンバー2になれました。今後、リンドウさんが消息不明になったエリアには一ミッションにつき最低一人、できれば二人以上第一部隊の隊員が動員されるように手を尽くしてみます。思っていたよりも状況は不利ですが、まだアドバンテージはこちらにあります。頑張りましょう。ソーマさんもね」
「クソッタレが」
 部屋の隅にいたソーマはそう言った。
 
  

 
 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 Liteさん、cabatyさん、スイープタレットさんにコメント返信があります。
 

>Liteさん
 はじめまして。トキワです。
 たくさんコメントしていただいてありがとうございます。
 恐縮ですがコメ返はまとめてさせていただきます(管理人の更新速度が遅かったためです)。
 常連になってくださるとはありがたいことです。
 僕も常連になりますよ。
 Liteさんは掃除機派なのですね。
 僕の家の掃除機は産業革命以前の古い型なので吸う力が大変弱く、布団圧縮袋が使えません。
 僕の家の近所のスーパーに行ったときにパートのおばちゃんから髪切ったね、と話しかけられました。
 顔とかちゃんと見られているんですね。
 僕も違いの分かる男になりたいです。
 
>cabatyさん
 お久しぶりです。
 コメントありがとうございます。
 面白いと言っていただけてとても嬉しいです。
 リンクは是非ともしてあげてください。
 今後もよろしくお願いします。


>スイープタレットさん
 コメントありがとうございます。
 僕の書いたものを小説と呼んでくださるのはありがたいことです。
 真面目に小説を書いている人から(内容的に)怒られてしまいそうな感があるため、小説書きではなくテキスト書きを名乗っている僕ですが、そこはやはり小説の方が格好がいいのでそう呼ばれたいです。
 
 
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02/27|ゴッドイーターコメント(1)トラックバック(0)TOP↑
この記事にコメント
返信見ました!

僕は文章とかまとめる能力ないから・・・orz
From: Lite * 2011/02/28 19:53 * URL * [Edit] *  top↑
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