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 ギャンブル
 
 エントランスでのミーティング。
 今日はソーマがいない代わりにアリサがいた。
 第一部隊隊員が五人いるのに対し出撃できる枠は四人までなので、常に一人ハブられます。
「説明は以上だ。何か質問はあるか?」とツバキ。
「あの……、アリサを今回の任務に出してあげてほしいなー……なんて」人さし指をピシッと立てコウタは主張する。「ほら、彼女最近、その……がんばってると思うんだ!」
「お前もか。他の者はどうだ?」
 サクヤは逡巡したのか溜めをつくってから、
「賛成です」と言った。
 ここまで来るともう「反対です」とは言えない状況である。
「だが、今回のターゲットは、’あれ’と同型の固体だぞ……大丈夫か?」
 ’あれ’ってのはリンドウさんをヤったヤツの旧タイプ、シミュレーションとしては悪くない。
 ヒデオはこんなときでさえ計算高い自分に自己嫌悪する。
 でも、それはヒデオの意思とは無関係に強制的に機能し続ける。
 心は炎のように熱く頭は氷のように冷たく、戦場における戦士の理想とされるあり方。
 それが、こんなにも苦いなんて……。
「行きます……。行かせてください!」アリサが決意を込めてそう言った。
 思いが伝わったのか、
「……よろしい。無理はするなよ」ツバキはゆっくりと頷いた。
「イエーイ! 俺がいるから大丈夫だよ! ね!」
 しんみりとした空気を入れ換える。
 どうやらコウタは石油ストーブを使用した際に、一時間おきにちゃんと換気するタイプらしい。
 最後にアリサが微笑したのを見て、あることをヒデオは心に決めた。
 廃墟、標的のヴァジュラを取り囲んだヒデオ達だったが、隙を突かれ取り逃がす。
「逃がしちゃ駄目だ! 追うよ!」
 ヴァジュラがコーナーを曲がり見えなくなる。
「一つに固まってると狙われるわ! 一旦散開して! ……みんな、慎重にね」
 サクヤが檄を飛ばす。
 一同は散開した。
 ヒデオはヴァジュラを発見したが、ビーコンで仲間にはそのことを伝えなかった。
 敵との距離を上手く取り、風上にまわって所定の位置まで誘導する。
 ビーコンを頼りに建物の影に身を潜めたアリサに気付くと、隠し持っていた鏡を使いヴァジュラとの相対位置を最終確認。
 ヴァジュラが襲い掛かるのを誘った。
 平静を装い、
「あ、アリサちゃん。敵見つかったー?」アリサに駆け寄る。
 アリサはヒデオに気付き同時にヴァジュラにも気付く。
 物陰から飛び出しヒデオに向かい、
「避けてー!」と咆え引き金を引いた。
 射出された炎弾は吸い込まれるようにヴァジュラへと命中する。
 二人とも無事であった。
 騒ぎを聞き駆けつけてきたサクヤはアリサの姿を見ると、ヒデオに向かい頷いた。
 そして、実の姉妹かのように座り込んだアリサを抱きしめた。
 めでたしめでたし。

 では終わらなかった。
 帰還したヒデオは夜遅くにツバキに呼び出しをくらっていた。
「今日のミッション、どういうことだ?」
 漬物石のような重い一撃が放たれる。
「何でしょう?」とうのヒデオはどこ吹く風、見た目は不思議そうに訊き返す。
「お前は部下に過保護だと言いたいんだ。お前の育った境遇を見ればそうしたくなるのも分からなくはない。だが、それでもだ」
「……………………」
「お前がいながら隙を突かれる? お前が不意を打たれる? そんなことがあるわけがない」
「それは買いかぶり過ぎですよ」
「とぼけるのもいい加減にしろ。……今回はアリサのためだったんだろうが」
 ヒデオは首をふるふると振ると、
「やっぱりバレちゃいました?」ふう、と息をはき肩をがっくりと落として話を続ける。「トラウマってのはそう簡単に克服できるものじゃない。ギリギリの状況で乗り越えられるかられないかってものなんですよね。自分がギリギリか、仲間がギリギリか。自分がギリギリだと死んじゃうかもしれない。仲間のギリギリはそう簡単に見られるもんじゃない。でも、神機使いとして生きていくなら、それはいつかは越えないといけない。そのチャンスを作るために、アリサちゃんを安全な位置に置いといて代わりに自分を差し出せる人間なんてそうはいないでしょうね。そんな都合のいい人間いるわけがない。だから―――――

―――――――僕がすることにしました」
「……お、お前っ……」
 ツバキは絶句した。
 ヒデオは頭をガシガシと掻く。
「やだなあ、そういうんじゃないですよ。ただ、リンドウさんと約束しましたから。彼女の力になる、と」
「それにお前は命を賭けたのか?」
「それに僕は誇りを賭けたんです」
 もう一度ツバキはヒデオを頭のてっぺんから足のつま先まで見やる。
「……死ぬな。それだけだ」
「分かりました。それだけは守ります」
 ヒデオはツバキの部屋を出ると薄闇の中へと消えた。


 
 追記にて、
 Liteさんにコメント返信があります。
 
 

>Liteさん
 コメントありがとうございます。
 コメ返があると読者の方も喜ぶと思うので、僕も可能な限りは書いたほうがいいのでは? と思います。
 そこから始まるネットワークとかもあるので。

 
 
 
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