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 男は成り上がってなんぼ

 ツバキさんから重要な報告があると聞いてエントランスに召集された第一部隊、今日は全員が揃っている。
「なあ、急に集まれって呼ばれて来たけど一体なんなの?」コウタは今日も元気です。
 それに対しアリサは、
「知らないです。知っていてもアナタには教えませんけど。サクヤさん、何か知ってます?」とツンな態度をとります。
 ソーマとのツンデレ対決、現在は6:4でソーマが優位です。
「何にも聞いてないわ。それにしても全員召集ってのも、珍しいわね」首をふるふる、と振るサクヤ。
 エレベーターががちん、となってエントランスに上がってきた。
「やべっ!」
 ツバキの姿を確認したのとほぼ同時にコウタが反応した。
 具体的に何がヤバいのかは分かりませんが、’先生=ヤバい’という思想はフェンリル極東支部でも敷衍しているようです。
 ツバキはヒールでコツコツ、と小気味良い音を刻んで一同の正面に立つ。
「どうやら全員いるようだな」
 端からソーマ、ヒデオ、サクヤ、アリサ、コウタ
と順に顔を確かめるように見た。
「本日、執行部から正式な辞令が降りた。今回の任務を持って貴官をフェンリル極東支部保守局第一部隊の隊長に任命する。これからはお前が名実共にリーダーだ。ヒデオ、よろしく頼むぞ」
「す……すげえ! 出世じゃん! 大出世じゃん!」
 コウタのハイテンションに皆が注目した。
「こういうの、何て言うんだっけ? ……下克上?」
「それ、裏切りですよ?」アリサが冷めた目で言った。
 ヒデオもそういう目で見られたかったり見られたくなかったり。
(確かに下克上ってのは言い得て妙かもしれない)
「改めて……よろしくお願いします。ね、サクヤさん!」
 なんとこの二人知らない間に仲良くなってる。
 女の子ネットワーク、それはもうすごいを通り越し怖いである。
「サクヤさん?」
「え……、ええ、そうね」サクヤはリンドウのことを考えていたのか曖昧に返事をした。「リーダー……か。何だかずいぶん、頼もしくなっちゃったわね」
 サクヤは色褪せた古い写真でも見るように、懐かしそうにそう言った。
「君になら背中を預けられるよ。これからもよろしくね」
 ツバキは咳払い一つ。
「早とちりするな。正式に任命されるのは今回の任務完了後だ。それに……確かにリーダーともなれば、相応の権限が与えられる。しかし、同等の重く大きな義務も負ってもらう。神機使いとしての職分だけではない。チームの部隊員を無事に生きて帰還させるを言う義務だ。死ぬなよ、全員生きて帰れ、これは命令だ」
「08小隊ですか」ヒデオはぼそぼそ、と呟いた。「確かに、仲間のためなら戦えるけど」
「さあ! 何をボサッとしている。任務に向かえ」
 
 任務を無事に終えたヒデオは支部長室にいた。
「期待通り、滞りなく任務を完遂してくれたようだね。まずは祝辞を述べさせてもらおう。リーダー就任おめでとう」 支部長は言う。
(この声どこかで……)
「さて……ここに足を運んでもらったのは他でもない。リーダーの権限と義務について触れておこうと思ってね。まずは権限の強化だ。君にはリーダー専用の個室が与えられる。前リーダーであるリンドウくんが使用していた部屋だ。その際、ターミナルにアクセスして使用者権限を更新しておくように。今まで閲覧が許可されていなかった資料が確認できるようになっているはずだ。情報を開示、共有するということを我々が決断した。この意味をよく理解しておいてくれ。そう、これは我々……フェンリルからの信頼の証。願わくば裏切らないで欲しいものだ。
さて、次は義務の方の話だが、君には通常の任務の他に、リンドウくんが遂行していた特務を引き継いでもらう。いちいち説明しなくとも君ならばおおよそ察しはついているのだろうが、一応規則なのでな。長い話をさせてもらったよ」
 ヒデオは頷く。
「特務の細かい指示は追って伝える。今日は君も疲れているだろう。ご苦労だった、これからもよろしく頼むよ」

 支部長の星の軌跡の観測くらい長い話を聞かされたヒデオはコインランドリーのドラムの中の洗濯物みたいにぐったりしていた。
 エレベーターを待つ間に自販機で購入したしるこを飲む。
 疲れたときは甘いものが欲しくなるのである。
 脱力系オーラ全開のヒデオを心配してか通りがかったツバキが話しかけてきた。
 なんのかんの言っても面倒見のいいお姉様なのである。
「どうだ? 調子の方は?」
「えーっと……、問題ないです」
「そうか? とてもそうは見えないが」
「ここは単なる通過点でしかない。次のステップへのきっかけに過ぎない。この程度で問題あるとか言ってられない」
「……………………………」
「こんなところで止まるわけにはいかないんだ」
(それはどういう意味だろうか)
 ヒデオの独白をツバキは無言で聞いていた。
 ツバキは相槌を打ち、ヒデオの頬へと手を伸ばす。
 どれだけ有能な策士でも、どれほど万能な戦士でも、その中身はまだ15歳の少年だ。
 今の立場は苦しく苦く、辛く辛いものだろう。
 しかし、
 それでも彼は止まらない。
 誰にも彼を止められない。
 崩壊の輪から彼は抜けられないだろう。
 それはツバキもヒデオも分かっていることだった。
 故にツバキはできうるだけの言葉を使う。
 もしかしたらのために……。
「……全てをお前が解決しなくてもいい」そう言って彼女は手を下ろした。「まずは肩の力を抜くことだな。いいか、お前が全てをこなすことはないんだ。仲間を使い、自分を使え……それが信頼を生む。お前ならきっといいリーダーになれる。さあ、任務に戻れ。これからもよろしく頼むぞ」
 ヒデオは照れくさそうに頭を掻くと頬を薄く染めた。






 拍手ありがとうございます。
 追記にて、
 Liteさんにコメント返信があります。

>Liteさん
 コメントありがとうございます。
 おばちゃんはときに救世主なりますね。
 僕はアマゾンの商品を預かってもらったりと全く頭が上がりません。
 ありがとう隣のおばちゃん。
 
 
 
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