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 迫り来る博士

 ヒデオは拾ったディスクを届けるためにサカキのラボを訪れていた。
 しかし、それはあくまでも表向きの話。
「忘れちゃうといけないんでとりあえず机の上に置いておきます」
 こともなげに一言言ってヒデオは”二枚”のディスクをサカキの机に置く。
 ヒデオがサカキのラボに来た本当の理由はその”二枚目”のディスクをサカキの手元においておくことにあった。
「いやー、ごめんごめん、君が拾ってくれたのか。助かったよ。もちろん、中身は見ないでおいてくれたよね? ……何のことは無い、若き日の想い出さ」サカキは白々しく言った。
 眼鏡の奥の糸目が警戒心を感じさせるが、ヒデオはなるべく無感情に振舞う。
『……何のことは無い、若き日の想い出さ』ねえ、その発言は見ていることを前提にしているとしか思えない。
「そうだ、ちょうどいい。実は……、君にお願いがあってね。とあるアラガミのコアを入手してきてほしい。出張中の支部長に頼まれてる仕事なんだ。支部長や教官にはもちろん、他の皆にも口外無用だよ」
「博士、何かミスやっちゃったんですか? 正規ルートじゃ入手できない。支部長の命令なのに支部長には内緒ってそういうことですよね?」ヒデオはあくまで強気に挑戦的にサカキに聞き返す。
 それに対しサカキは苦笑し、ずずいと上半身を寄せヒデオの顔を覗き込む。
(やり辛いな)
「実は、ソーマにだけは以前から同じようなお願いをしてるんだ。彼と二人で何とかしてほしい」
 ヒデオが半歩下がり距離を取ると、サカキは今思い出したとばかりに、
「そういえば、君はリーダーになったんだっけね。おめでとう」と言った。「君は、『マーナガルム計画』って、聞いたことあるかな? お世辞にもエレガントとは言いがたい実験だった。大切な友人達も失っちゃったしね。その負の遺産を、残されたソーマは一人で背負っているのかもしれないんだ。私自身も……、彼からは恨まれても仕方ないことをしてきた一人さ……」
 再び、ずずいとヒデオに迫るサカキ。
 科学者なのにインファイター。
 理系ならもっと洗練された戦術を使いそうな気もするが、実際の科学者はトライアンドエラー、要するに靴底をすり減らすような作業に従事されているので妥当と言えば妥当な気もする。
「よかったら彼と仲良くしてやってくれ。頼むよ」
 ヒデオは頷いた。

 またもサカキのラボに呼び出されたヒデオ。
「やあ、毎度毎度、呼び出してすまない」
 ヒデオは咄嗟に半歩下がるもサカキは同時に一歩踏み込む。
 顔が近い。
 これがツバキやサクヤならばヒデオの勝手も違ってくるのだが、目の前にいるのはテンパのおっさんである。
 それが現実受け止めねばなるまい。
「今日はちょっと特別なお願いがあってね。内容はいつもどおり、アラガミの討伐なんだけどこの任務にはサクヤくん、アリサくん、……えっと……コウタくん?」
「最後の一人忘れてましたよね」
「……それにコウタくんを連れて行ってもらう」
 スルーされた。
「ああ、他のメンバーを駆り出すことについては心配いらないよ。ちょっぴり細工して、通常任務に偽装してあるんだ。用件は以上、結果を楽しみにしているよ」サカキはそこで一息つくと、「っとここまではフェンリル極東支部の局員としての話で、ここからはペイラー・サカキ個人の話だ」
 ヒデオはサカキの次の言葉を待つ。
「君がくれたデータは実に興味深いものだったけど、君はあれをいったいどこで手に入れたのかな?」
「どう答えるかは博士次第ですけどね」含みを持たせニヤニヤと不敵に笑うヒデオ。
「なるほど、そういうことか。ならこちらも準備をしておかなくてはね。急ぐこともない、いや、急がなければならない、か」
「何のためにあれだけの犠牲を出したのか、残されたものが何をなさなければならないのか、そこのところをよく考えてみて下さい。とは言いますけど、人間欲望に忠実な方が健全です。あなたのしたいようにするのが一番いいと思いますけどね」
 欲望は人間により強い嗜好力と指向力を与える。
 何のための犠牲なのか。
 何のための使命なのか。
 そんなものは生まれたときから既に決まっていたというのに。
 
 
 
 
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