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 競争の始まり 

「実に興味深い」
 博士のその一言でヒデオの目の前が真っ赤に染まった。
 目の奥がぐらぐらする。
 皮膚の裏側がざらざらする。
 血液が逆流しているみたいだ。
 その言葉は許せない。
 そんなことは許せない。
 どうしてこんな気持ちになるのだろう?
 彼女が人間みたいな形をしているからだろうか?
 目の前を通り過ぎていく白衣の男達。
 彼らは僕達を”ヒト”として見てはくれなかった……。
「ヒデオ、ヒデオ」アリサがヒデオの袖を引っ張る。「どうしたの? そんな怖い顔して?」
「え? ああ、ちょっとぼーっとしてた。糖分が足りないんだ、糖分が」ヒデオはヘラヘラと笑ってアリサの質問をやり過ごす。
「先生!」
「はい、コウタくん」
(助かった)
「大体のことはわかったというか……、まあ、あんまよくわからなかったんですけど……、コイツのゴハンー、とかイタダキマスーとかって何なんですかね?」
「ゴハン!」
 まさかアラガミが押すなよ押すなよを、笑いを分かっていようとは……。
「こいつが言うとシャレにならないんですけど」
「言った通り、アラガミの”偏食”傾向の基本として、自らと似たような形質のものは食べないんだ。ただ、そうは言ってもさっきみたいに本当におなかが空いた時は、不味かろうとなんでもガブリ、だろうけどね」
 サクヤ、アリサ、コウタ三人が壁まで退避する中(ソーマさえ半歩後ずさったというのに)、ヒデオだけは眉一つ動かさない。
「博士。この世界にあるものは食べられるものと頑張れば食べられるものに分けられるというサバトちゃん的二元論はどうかと思いますが」
「ヒデオ君、キミの胆力は大したものだと思うが、もうちょっと驚いてくれないと説明する側は侘しいな。おじさんの唯一の趣味なんだからちょっとくらい付き合ってあげるのが大人のマナーだよ」博士はため息をつくと「まあそれは例外さ。皆そんな離れなくても大丈夫だよ。アラガミっていうのは知っての通り彼らの俗称だけど、実際にいくつもの個体が我々人間がイメージする”神々”の意匠を取り込んでいる例が各地で報告されているんだ。いったい彼らが何を考えてそんな生態をとっているのか、どんな過程で”神”を騙るに至ったのか……、実に興味深いじゃないか 。そんななか完全に”人”の形をしたその子は、、さらに貴重なひとつのケースなのさ。おっと、話が脇にそれちゃったね。勉強会はこれくらいにしよう。最後に、この件は私と君たち第一部隊だけの秘密にしておいてほしい、いいね?」
「ですが……教官と支部長には報告しなければ……」
「サクヤ君……。キミは天下に名だたる人類の守護者、ゴッドイーターがその前線拠点であるアナグラに秘密裏にアラガミを連れ込んだと、そう報告するつもりなんだね?」
「それは……。しかし、いったいなんのために?」
 サクヤさん、あなたは科学者という人種の怖さを知らない。
 科学者が研究をすることに理由はいらない。
 彼らの目的は手段そのものだ。
 彼らにとって研究は真理への探求は、人間が当たり前のようにする呼吸、食事、睡眠、それと同系列なのだ。
「言っただろう? これは貴重なケースのサンプルなんだ」
 サクヤに詰め寄るように、その顔を覗き込むかのようにニアミスしに行くテンパのおっさん。
 その姿たるやセクハラそのものである。
「あくまで観察者としての私個人の調査研究対象さ。大丈夫。この部屋は他の区画とは通信インフラやセキュリティ関係も独立させてあるんだ」
 サカキはサクヤの耳元に口を近づける。
「君だって、今やってる個人的な活動にも余計なツッコミを入れられたくはないだろう?」
 それは蜜のように甘い囁きだった。
「そう! 我々はすでに共犯なんだ。覚えておいてほしいね!」
「イタダキマス」
「彼女とも仲良くしてやってくれ。ソーマ、君も……よろしく頼むよ」
「ふざけるな! 人間の真似事をしていようと……バケモノはバケモノだ」ソーマは不機嫌にそう言って部屋から出て行った。

「さて……人が神になるか、神が人となるか、競争のはじまりだ」

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