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 二つの孤独

 今日もなにかに理由をつけサカキのラボに呼び出されるヒデオとソーマ。
 二人には確実にテンパのおっさんにパシリにされる日々が続いていた。
 毎日毎日呼び出しやがってお前は名うての召喚師か。
 ヒデオは内心毒づくも、呼び出された理由を聞くとそんな反発心も霧散した。
「やあ、頑張っているようだね」にっこりと微笑むサカキ。「君のお陰でシオの知識、知能はほぼ成人のそれと言っていいほどに成長したよ」
「したよー。ありがとね、ありがと」
「口調は相変わらずだけどね。さて、今日呼んだのは、別に君を驚かせるためではないんだ。実に切実な問題……、シオの食糧確保だ」
「それは深刻な問題ですね」ヒデオは頷く。
「今まで君に依頼して集めてもらっていたコアを貯蔵しておいたんだけど……、つい先日、それも尽きてしまってね。君達にはシオをデートに連れて行ってほしい、ってことなんだ。フルコースのディナーをよろしく頼むよ」
「たのむよー」シオが意味が分かっているのか分からない頭を下げた。
 人生初デートがアラガミ少女という別な意味での深刻な問題を前にヒデオの心拍数が上がる。
 動揺を隠そうと努めるが少し顔に出てしまったのかもしれない。
 しかもデートの内容が内容である。
 アラガミ殲滅及び捕喰。
 正直微妙だ。
 しかしまあ、吊り橋効果ってあるじゃないですか。
 …………………………。
 ……無理だった。
 もうこれは任務だ、そう思おう。
 その辺りソーマにも思うところがあったらしく、
「ふざけるな。なんで俺まで……」と、激しく拒絶する。
 にもかかわらずヒデオは快くその任務を引き受けた。
「おい! 勝手に受けるな!」
「ちょっと待てよ、釘宮。君は飽食の時代に生まれたから食べ物のありがたみを知らないんだ」
「お前俺より年下だろうがっ。あと釘宮言うな!」
「とにかく、この任務は受けます」
 ヒデオは真っ直ぐにサカキの目を見つめる。
「おおっ!リーダー権限、というやつだね。これは逆らえないな? ソーマ?」
「バカ野郎が……」
「では改めて……、よろしく頼んだよ、二人とも」
「ありがとー」
 シオがひまわりのように笑った。
 それに対しヒデオは苦笑しか返せなかった。
「ねえ、はかせ。デートってなにー?」シオは不思議そうに首を傾げて博士に訊く。
「楽しいことだよー」
「たのしいこと……。イタダキマスだなー」

 キューピー3分クッキングのように手際良くアラガミを殲滅した、ヒデオ、ソーマ、コウタ、シオの四人。
 さっそくシオがイタダキマスを始めます。
「そーま! いっしょにたべよ!」
 嬉しそうにシオがソーマを誘うが、
「おいおい、シオ。俺達人間はアラガミを食ったりしないんだよ」とコウタが言う。
 その途中でくるりと向きを変えソーマは一人夕日に向かって歩いていく。
 と思ったら、ちょっと離れたところで立ち止まる。
 何か声をかけて欲しいのだろうか。
「えー、でもー。そーまのアラガミは、たべたいっていってるよ?」
「ふざけるな! テメェみたいなバケモノと一緒にするんじゃねえ!」
 激昂するソーマ。
「お、おい……」
「いいからもう、俺に……、関わるな……」
 一人歩いていくソーマをシオは追いかける。
「シオ……ずっとひとりだったよ。だれもいなかった。だから……。うーんと、だから。だから、そーまをみつけて、うれしかった。みんなをみつけて、うれしかった。うーんと、だから、だから、えーと」
 立ち止まりシオの言葉を聞いていたソーマは再び一人歩きだす。
 止まっていた時間が動き始めて、動いていた想いは停止する。
「おい! 待てよ、ソーマ!」コウタは言い、「何なんだよアイツ!」
 ヒデオはコウタに首を振る。
「……おまえ、何か知ってんの?」
 ヒデオはコウタの問いに知っていることを話した。

 シオが水辺で足をちゃぷちゃぷして遊んでいる後ろで、ヒデオとコウタは話し合っていた。
「そっか……、よく分かんないけど、要するにアイツがゴッドイーターや神機の技術のオリジナル、ってことだよね。そんで、自分が生まれたことで母親まで殺しちまった、って思ってんのか」
「そういうことだ」
「そんなもん、ずっと一人で背負って、かっこつけてんじゃねえよ……」

 コウタにシオを押しつけて一人エリアにヒデオは残った。
 どうして誰もソーマのことを支えてやらなかったのだろうか。
 どうして誰もソーマの側にいてやらなかったのだろうか。
 どうして誰もソーマのことを理解しようとしてやらなかったのだろうか。
 どうして誰もソーマを救ってやらなかったのだろうか。
 弱い人達を守るために戦って、その実最も誰かの助けを必要としていたのがソーマだったというのに。
 どうして……。
 どうして、僕達は普通に生まれてこれなかったのか。
 ただ、その想いだけが、ヒデオの心を変えることのできない灰色に塗り潰していった。
 
 
 
 
このところたくさんの拍手をいただくことができてとても嬉しいです。
 過去記事なども読んでもらえるとは(涙)。
 拍手してくださった方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 Liteさん、文月さん、拍手コメントをくださった方(一応カギ付きのコメだったので匿名で)にコメント返信があります。

>Liteさん
 いつもコメントありがとうございます。
 連休の頭に風邪をひくとは不運ですね。
 同じひくでも連休の前日とかにはできないのか、風邪よ。
 
>文月さん
 コメントありがとうございます。
 ゴスロリにはえもいわれぬ魅力を感じる管理人。
 ゴスロリ少女を街で見つけるとテンションが上がります。
 その街にもほとんど出かけないけど。
 
>拍手コメントくださった方
 コメントありがとうございます。
 さっそく漫画版をチェックしてみたのですが、ちょっと設定が違っていることに気付きました。
 アニメではジュンの立ち位置が分かりやすく変えられてますね。
 漫画版もお金と時間があれば買ってみようかと思います。
 
 
 
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05/08|ゴッドイーターコメント(1)トラックバック(0)TOP↑
この記事にコメント
コメントの返信の返信になりますが・・・w

風邪といえば僕から始まり、家族全員が風邪を連休中に引きましたww

一番ながびいたのが母でしたww

From: Lite * 2011/05/08 20:23 * URL * [Edit] *  top↑
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