上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--|スポンサー広告||TOP↑
 初めての特務

 ヨーロッパ遠征に行っていた支部長は、フェンリル極東支部に帰ってくるなりヒデオを部屋に呼びつけた。
(何の用だ?)
 ヒデオは支部長の意図を考える。
 まあいい、そっちから近付いてきてくれるのなら願ったり叶ったりだ。
 支部長室のドアをノック。
 返事を待ってから中に入る。
 支部長は壁にかけられた絵画の前に立っていた。
「やあご苦労。暫く留守にしていたが、ヨーロッパ出張中も君の活躍はよく耳にしていたよ」くるり、と支部長はヒデオの方に向き直る。「どうやら期待通りの働きをしてくれているようだね。極東支部長としても誇りに思うよ。さて、余り時間もないので、本題に移ろう。君をび出したのは他でもない、今後、リーダーとして特務についてもらう。特務の内容は様々だが、いずれにおいても一つの原則が設けられている。特務は全て私自身が直轄で管理するという原則だ。無論、任務中に得られた物品もその例外ではない。なお、特務は全てが最高レベルの機密事項であると心得てくれ。その性質上、ほとんどの特務はチームではなく単独でこなすことになる。その見返りに入手困難な物品と相応の金額を提供させてもらう」
 ようするに、買収。
「君ならたとえ単独でも困難な任務もこなすことができる……。私がそう判断したものと思ってくれ。特務の発注は更なる信頼の証でもある。前リーダーだった、リンドウ君……、彼もよく私に尽くしてくれた。彼ほどの男を失ったのは、実に大きな損失だった……。だが、今は彼に勝る逸材がここにいる、ということだな」
 支部長は朗々と語った。
 ヒデオはそれを濁った瞳で見ているだけだった。
「早速だがヒデオ君、特務だ」
「何ですか?」
「私の影武者を頼みたい」
「僕と支部長とでは体格的に差があり過ぎてあまり意味がないように思いますが」
「なに、夜私の布団に代わりに入っていてくれればいいだけだ。私はちょっとカジノに行きたいのでね」
 まあ、夜中は休憩時間みたいなものなのでどう過ごそうがそれは個人の自由だ。
 しかし、仮にも一支部の支部長がカジノに行くのは体面が悪い。
 そういうことなのだろう。
 でも、初めての特務が代わりに布団に入っているだけというのはあまりにも悲しい。
 僕の初めてを返してほしかった。
「どうしたのかね、ああ同性の布団に入るのに抵抗があるのかな? 大丈夫だ、その点においては既に先手を打ってある。君が入ることになるのは私がすり替えさせた女性神機使いのものだ」
 恐るべし支部長のパワーハラスメント。
「ちゃんと干しておいたからふかふかだぞ。ああ、君は干さない方が良かったか」
 勝手に人の性癖を決めるな。
「しかし、支部長、やはりギャンブルはよくないのではないですか」
 ヒデオは女性神機使いの布団に後ろ髪引かれながらも一応進言する。
 第一に布団の持ち主の顔が分からないのでは萌えれないし燃えれない。
 そこが問題だった。
「君は君のその大好きな甘味がどういうルートで手配されているのか考えたことがあるかな?」
 ヒデオははっとする。
 そういえば自分がこの支部に来たばっかりの頃はしるこくらいしかなかった。
「この支部のスズメの涙みたいな予算でそれらを入手することはできない。私は支部の予算を種銭とすることで大きな利益を上げ、今のアナグラの生活水準をキープしているのだよ」
「いいこと言ってるっぽいですけど、それ普通に横領です。あと、スズメの涙をギャンブルに使うな」思わずつっこんでしまうヒデオだった。
 確かに、トップシークレットである。
「この特務の前金としてこのアイテムを渡しておこう」
 ヒデオが渡されたのはうまい棒だった。
 余った球でもらえるあれである。
「ギャンブルってパチンコですよね」
「パチスロだ」
「同じじゃねーか!」
「君、パチンコとパチスロは埴輪と土偶くらい違うものなのだよ」
「興味ない人間にとっちゃ同じようなもんじゃねーかっ!」
 すみません、取り乱しました、と頭を下げるヒデオ。
「構わない。君には期待しているよ。頑張ってくれ!」
 ヒデオは頷く。
 具体的に何を頑張るのかが分からなかったがとりあえずヒデオは退室した。
 支部長室から出るとソーマがいた。
「……とうとうお前も呼ばれたのか。これだけは言っておく。アイツには深入りするな……」
 そう言い残しソーマは去っていった。
 それだけを言うために彼はここで待っていたのだろうか。
 まあ、自分の父親のアレなところは見られたくない年頃なのだろう。
 そう思えることが恵まれていることなのだとはまだ彼には分からないのだ、そうまだ彼には……。



 
 拍手ありがとうございます。
 
スポンサーサイト

05/27|ゴッドイーターコメント(1)トラックバック(0)TOP↑
この記事にコメント
お久しぶりです。有里馨です。
支部長のキャラクターが面白すぎて、思わずコメントしにきてしまいましたw

私は、ゴッドイーターはもうクリアしてしまっているので問題ないですが、これをクリアする前に読んでたら支部長大好きになってしまいそうな気がします。
あの渋い声で「布団に入っていてくれればいい」とか想像しただけで、笑いすぎてお腹が痛くなりました。あの声だから余計面白いです。

しかし、こういうところを考えるとソーマの「アイツには深入りするな‥‥‥」という言葉の意味を深読みしてしまいますね‥‥‥まさか、そういう意味で‥‥‥なんて(笑)

毎回楽しく読まさせていただいています。更新楽しみにしていますね。
それでは、失礼致します。
From: 有里馨 * 2011/05/27 23:40 * URL * [Edit] *  top↑
名前:
コメントタイトル:
メールアドレス:
URL:
コメント:

パスワード:
管理人だけに表示:
管理者にだけ表示を許可
この記事にトラックバック
FC2カウンター
現在の閲覧者数
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
ドラクエ風xxxがあがった!
flash boreal kiss
プロフィール

トキワ

Author:トキワ
FC2ブログへようこそ!
にほんブログ村 その他日記ブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

フリーエリア


ダンジョンRPG検定

最新記事
最新コメント
仁王立ちだZE★霧雨魔理沙
【東方】博麗ちゃんの賽銭箱
十六夜咲夜の大きな懐中時計
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
インなんとか
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム
QRコード
QRコード
最新トラックバック
地球の名言

presented by 地球の名言
黒メイド時計
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。