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 つなぎの覚悟とヒデオの覚悟

 ヒデオはコウタ、タツミ、ブレンダンの四人とエントランスで賭け麻雀をしていた。
 各々が自身の命と等しいと言ってもいいくらいの価値を持つものを賭けての麻雀だった。
 コウタはバガラリーのDVDリミッテッドエディション(売れば結構な金になる)、タツミは防衛班の全女性神機使いのメールアドレス(美女美少女に限定するとそこから足がつくので)、ブレンダンは最高級の芋焼酎とあたりめのセット、ヒデオに至っては職権を濫用し入手した秘密の花園の監視カメラ映像(普通に犯罪)である。
 コウタ一人が大負けラスト半荘をするまでもなく勝敗は喫したかといったときに、突如非常アラートが鳴り響いた。
「アラガミ……(やった)! また外部居住区に侵入したんだ!」点数の書かれた紙をくしゃくしゃにしてからゴミ箱に捨てるコウタ。
「おう、これは俺たち防衛班の仕事だ。お前さんがたは、卓を片付けた後、自分たちの仕事を全うしてくれよ」タツミが部隊長の顔で言う。
「ああ、頼むよ。気をつけてね!」
 タツミとブレンダンはミーティングルームに向かって駆け出した。
 その背中を見送りながら、
「近頃、多いよな……。外部居住区へのアラガミの侵入」とコウタは言った。
「居住区外周の対アラガミ装甲も、このところのアラガミの変化に対応しきれなくなってきているみたいなんです」
 申し訳なさそうにヒバリは言うが、ヒデオは首を振る。
「あなたのせいではない」
「それって、装甲に使われてる例の”偏食因子”ってやつが、敵の変化についていけてないってこと?」
「そうです」コウタの質問にヒバリは答えた。「最近出没している新種から偏食因子を摂取できれば、装甲も強化できるはずなんですけど……」
「あるじゃないか。俺たちにも出来ることがさ! 行こう!」
 ノリノリなコウタに、
「卓はちゃんと片付けてください」とヒバリはぴしゃりと言った。
「ごめんなさい」
 片付け終わったヒデオ達は、さっそくアリサとソーマに声をかけ出撃することにした。

 数日後、エントランスでミッションを終え帰って来たばかりのタツミとブレンダンに会ったヒデオとコウタ。
「お疲れさま。そっちはどうだった?」気さくにコウタが二人に話しかける。
「おお……、お前さんがたが持ち帰ってくれた偏食因子のおかげでなんとか食い止められたぜ」
「ああ……、何人か犠牲がでちまったけどな」
「そっか……ごめん、もっと早く届けられればよかったんだけど……」
「お前さんのせいじゃない。E26エリア方面だったから、家屋が集中していたもんでな」
「E26っ!」それを聞くやいなや血相を変えて飛び出していくコウタ。
 そういえば、つなぎの家族はE26に住んでいたな。
 しかしここで、どう騒いだところで犠牲者は蘇らない。
 ヒデオはその事実を冷静に受け止め二人の話をもう少し詳しく聞くことにした。
 話を聞き終わったヒデオはコウタの部屋へと訪れた。
 ノックをしても返事がないので、一声かけてから中へと入ると、コウタはソファーに座りうつむいていた。
 ヒデオに気付いたコウタは顔を上げた。
「ふう……、母さんたちは無事だったよ」
「そうか」
「エイジス計画、早いとこ完成させてもらわなきゃな」
 コウタは再び目線を床へと落とす。
「守れるんなら……、どんなことだってやってやるさ」
 それはコウタの誓いだった。
 だが、それはヒデオの誓いに比べればぬるく、浅く、軽いものだった。
 その覚悟はあまりにも脆かった。
 なぜならば、本当に守りたいのならば、その手段が目の前にぶら下がっているのを見逃したりはすまい。
 例えば、ヒデオのように高い地位に就くことで、家族を優先的に安全な場所へ移り住まわせることもできるだろう。
 アラガミとの戦闘で武勲を上げ、上層部に取り入ることでもいい。
 やりようはいくらでもある。
 しかし、コウタはたった一つのものが捨てられない。
 人であることをやめられない。
 結局のところ、ヒデオは人をやめられて、コウタは人をやめられなかった。
 それだけのことだった。
 ヒデオは壁にもたれて考える。
 自分の権限を使えばコウタの家族を安全なところに住まわせることは可能だ。
 だがしかし、自分とコウタの家族の間には直接的な繋がりがない。
 命を賭けてアラガミと戦っている神機使いだ、優先的に安全な場所に自分の家族を住まわせる、それくらいならば人間の心情的には許容範囲だろうが、そのシステムは採用されてはいない。
 そんなことをすれば収拾がつかなくなる。
 そして、上司のコネでアナグラの深部に住めるようになった者に対し、周囲の人間が弾劾をするだろうことも容易に予測できた。
 人が人を虐げる、そんなことをさせるわけにはいかない。
 答えの無い問いをヒデオは十字架の下で考え続ける。
 出口のない迷路をヒデオは暗闇の中で彷徨い続ける。
 それが、たった一つの大切なものを捨ててしまった己に課せられた咎だとでもいうかのように。
 
 
 
 

 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 神澤さん、ニケさんにコメント返信があります。

>神澤さん
 コメントありがとうございます。
 おそらくあまりにも外に出ないから光に弱くなってしまったんだと思います。
 日焼け止めが苦手ならば、使わずに健康的な肌の色を目指すというのもありではないでしょうか。
 コーヒー牛乳の精霊のように魅力的な女子を管理人、最近全然見ていません。
 数字の意味がやっと分かりました。
 肌のダメージを50分の1にするようです。


>ニケさん
 コメントありがとうございます。
 ナンバーワンよりオンリーワンの方がいいみたいな歌が昔ありましたが、普通にナンバーワンの方がいいと思っている管理人です。
 この先、巨神兵のレーザービームが全日本を襲うかと思いますが、考えるだけで憂鬱ですね。
 この災厄を避けるためにはもはや南半球に行くしかないようです。
 部屋を漁っていたら去年の日焼け止めがでてきました。
 貧乏症の管理人、中身の変質している可能性を無視しとりあえず去年のやつを使うことにしました。
 
 
 
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