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 不安と恐怖

 ついにくろね子さんへの手がかりを掴んだヒデオ。
 ターミナルからフェンリルロシア支部へとアクセスし、アリサの両親を奪った事件の資料を見る。
「結構酷いな」ヒデオはひとりごちる。
 アラガミの襲撃によってもたらされた被害はヒデオの予想以上だった。
 支部を襲ったアラガミが単体だったのか複数だったのかは分からないが、それならば敵アラガミは一体だったと考えるべきだ。
 数値だけではアラガミがどのようにして支部を破壊したのかが分からなかったので、ヒデオは画像ファイルも開いてみた。
 散乱している電子機器が内部から破壊されている。
 雷属性の攻撃だろう。
 壁や床の壊れ具合から察するに、敵は重量級かつ圧倒的な筋力を有している
 まあ、ヴァジュラ種だから当然か。
 続いて、ヴァジュラに襲撃された支部のファイルを検索し両者をトレースし、くろね子さんのデータを推測。
 重さ、筋力、バランス力、耐久力、攻撃性、全てが上、ヴァジュラを上回っている。
「ザクとは違うのだよザクとはっ!」
 思わず言ってしまうヒデオだった。
 ヒデオは大きく息を吐くとベッドに仰向けに倒れ込んだ。
 僕達は勝てるのだろうか。
 負ければ自分は勿論仲間も死ぬ、それがヒデオに更に強いプレッシャーを与える。
 四人出撃だから一人余るんだよな。
 ふと、思う。
 残るのはツナギでいいかな。
 彼には家族がいる、彼の帰りを待っている家族がいるのだ。
 いや、違う。
 負けていいわけがない
 死んでいいわけがない。
 僕は……何を弱気に、なっているんだ。
 ヒデオは左手で顔を覆った。
 そう、今までが異常だったのだ。
 ツバキさんに出会う前はなんの前情報もなしに戦い、生き残ってきたではないか。
 思い出せ、昔の自分を……。
 僕がこと戦闘で……負けるわけがない。
 ヒデオは自分にそう言い聞かせた。

 ツバキの部屋のドアをノックする。
「何だ」という声が聞こえた。
「失礼します」と言って中に入るヒデオ。「くろね子さん、いえ、この前確認された黒いヴァジュラの件なのですが」
 ツバキは気だるげにデスクを整理している手を止め、
「ああ、例のヴァジュラか。心配するな。きちんと調査隊に調査をさせている」と言った。
「その調査隊が……、心配なのです」
「どういうことだ?」
「調査などしていたら、調査隊は潰されます」
「ちょっと待て。まあなんだ、姉の私が言うのもなんだが、リンドウを倒すほどの手強い相手なのは分かるが、調査隊とて専門の訓練を受けている。そう簡単にあっさりやられたりはしない」
 ヒデオは呼吸一つ分間を開ける。
「ツバキさんは、アリサの両親が殺された事件のことはご存知ですね」
「勿論、知っているさ」
「あれはくろね子さん一体によってもたらされた被害です。アリサとの感応現象の際に、僕は彼女の記憶の一部を見ました。そこには彼女の両親が彼女の目の前でくろね子さんに殺される様が映されていました。そのロシア事件と一般的なヴァジュラに攻め込まれた支部の被害状況を比較し推測した結果、こちらの調査隊では相手にすらならないと僕は判断します」
 ツバキは驚き絶句する。
「調査隊にはくろね子さんに遭遇したら、絶対に応戦せずに逃げるよう言ってください」
「……ああ、分かった。他ならぬお前がそこまで言うのだ、調査隊には撤退するよう言っておく。だが……」
(そんな相手に勝てるのか? だろうか)
「大丈夫、僕は負る気はありませんよ」
 ヒデオは無邪気な笑顔を浮かべそう言った。

 それから数日、平和な日々が続いた。
 アラガミが攻めてくることはなく、神機使いの誰もが突然訪れた休日に弛緩していた。
 そう、ヒデオを除いては。
 ヒデオは毎日サカキのラボに入り浸り、サカキからヴァジュラ種についての講義を受けていた。
 サカキもレクチャータイムが楽しいらしく、興が乗った日には明け方までぶっ続けで学習することもあった。
 そして、くろね子さんの発見で、つかの間の平和も終わりを告げる。
 エントランスに集まったコウタ以外の第一部隊はツバキからミッションの詳細を知らされる。
 ヒデオはメンバー選択時にやはりコウタを外した。
 理由は攻撃力が足りないからということだったが、もしかしたらそれだけではなかったのかもしれない。
「リンドウの腕輪信号が、また確認されたようだ。おそらく先日撃退したアラガミと似たタイプのものだろう……。前と同様、私情を捨てて冷静に任務をこなせ……、いいな」
 いつも以上にピリピリとした空気の中でヒデオは頷く。
 未知の強大な相手との戦いに恐怖を感じ震える左手を身体の後ろに回し、右腕でがっちり、と手首を押さえつける。
 チームの士気に関わることなので、仲間に悟られぬよう取り繕うが、それでも恐れは真っ白なシャツに溢したインクのように身体の内側を満たしていく。
 出撃し、黒い影を捉える。
 そして、ヒデオ達の戦いが始まった。


 
 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 いさやばさんにコメント返信があります。

>いさばやさん
 コメントありがとうございます。
 トラックバックは勢いだけで書くことがよくあります。
 結果、自分でも何が書きたいのか分からない記事が出来上がってしまうこともよくあります。
 今回のトラックバックは自分でははずれだと思っていましたが、いさばやさんの好みには合ったといった感じでしょうか。
 僕の書く微妙な文章でも何かの役に立てれば重畳です。
 
 
 
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