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 特務

 今日のミッションは廃空母にて行われた。
 無事ミッションをやり遂げたヒデオとアリサは空母の端で黄昏ていた。
 アリサの銀髪がオレンジに染まりヒデオの黒髪がさらさらと風に流されている。
 二人の視線の先にあるのは巨大な島、人類の未来を担うエイジス島である。
「大きいよね」
 背後からサクヤの声がして彼女も空母の突端まで歩いてくる。
 サクヤは神機を肩に担ぎ遠くのエイジス島を眺め、
「エイジス計画の要、人類最後の望み……エイジス島……」と言った。
 そのときだった。
 サクヤはシオがひとりぽつんと崖っぷちに立っていることに気付き、
「シオ、どうかしたの?」とシオに呼びかけた。
 ヒデオもサクヤの視線を追う。
 そこには、体中の魔術刻印が発光している少女がいた。
「シオ、あなた……!」
 サクヤが心配そうにそう言うが、シオは心ここにあらずといった風体で、
「ヨンデル。タベタイ……タベタイッテ、ヨンデルヨ」ぼそぼそと呟くのみ。
 シオはヒデオ達の方をちらっと見るとまたエイジス島を見て、
「オイシソウ」と言った。

「……で、そのまま海に飛び込んで姿を消した……と」とサカキ。
「申し訳ありません」年長者だからかサクヤは責任を感じているようにうつむいている。
 それとは対照的にヒデオは何事もなかったかのようにぼんやりと中空を見つめていた。
「いやいや、まずはみんなが無事で何よりだよ」サカキは柔和な表情で、「サクヤ君……、場所は空母の北端、エイジス島近郊で間違いないんだね?」そこだけを確認する。
「はい。あの子一体何があったんでしょうか?」
 サクヤがもっともな質問をするが、サカキはお手上げといった感じに、
「今の状況からでは何とも言えないね」と言葉を濁すだけだった。
「……そうですか。分かりました」
「ともかく、君達にはシオの捜索をお願いすることになるかもしれない。何か判明したら連絡するよ。今はゆっくり休んでほしいな」
 ヒデオ達はサカキのラボから出ていった。
「でも、ちょっとヒデオ冷た過ぎじゃないですか。シオがいなくなったっていうのに何、その落ち着きぶり。シオだって私達の仲間でしょ?」
 ラボから出るとアリサがぐちぐち文句を言うが、ヒデオは淡く笑っただけだった。
「笑い事じゃないです……」そう言いかけてアリサは理解する。
 ヒデオの笑顔の意味を。
 ヒデオとの感応現象で見せられてしまった、ヒデオに一歩近づいたことで知ってしまった。
 彼の内に巣くう茫漠たる喪失感。
 その闇には果てがなく、
 その手紙には宛がなかった。
「シオにも帰る場所があった、それだけのことだよ。彼女はもともと野生だった。それを僕達が無理に引き離した。だから、ちょっと帰った、それだけのことだよ。彼女はアラガミのヒエラルキーの中じゃ高い位置にいるから他のアラガミに殺される確率は低い、だから、大丈夫だよ」
「あなたは……」アリサは次の言葉が出てこなかった。

 ヒデオは支部長に呼び出されていた。
 ヒデオはエントランスにて朝食にお団子セットを早々に食べ終えると支部長の部屋へと向かった。
 ドアをノックし、返事がするのを確認してから中に入る。
 支部長室のアロマの香りがキーになり、初めての特務の悪夢が脳内に翻る。
 またあの手の任務なのか、とげんなりしつつもこれも仕事だ、と割り切って心を決める。
 支部長はヒデオの姿を見ると満足したように頷いて、
「うむ、ご苦労」とねぎらいの言葉をかけた。
 頼りなげに頭を掻くヒデオ。
「わざわざ呼び出したのは他でもない。目下、最優先事項である特務を君にお願いしたい。実は私がギャンブルに支部の資金を使っていることが本部にバレてしまってね。現在の負け分の負債を個人で背負わなくてはならなくなったのだが、残念ながら私の借金は私の返済できる限度を超えてしまっている。それで私は一ヵ月前に生命保険に加入させられてしまった。そして、私は私の負債を賭けた賭け麻雀をしなければならないことになった。君にその代打ちを頼みたい」
 自業自得じゃねえか、と内心毒づくも、しかしヒデオも悲しき宮仕え、上の者の言うことには従わねばならぬときがあることぐらいは知っている。
 ヒデオはついっと目を細めると、
「要するに麻雀をして勝てば借金チャラ、負ければ支部長の命はない、ということですね」
「理解が早くて助かるよ」
「でも、ソーマ使えばいいじゃないですか、僕麻雀したことありませんし」
「いや、彼は頭脳戦には向かない。初心者でも君の方が腕は上だろう。それにここ最近、ミッションをさせたらやたら不機嫌でね……。困ったものだ」
「何やらせたんですか?」
「指定の品を入手してくるという任務だ。具体的に言うと深夜三時にたばこを買って来いというものだ。いきなり電話をかけたぐらいでなんだというんだ。お使いくらい小学生でもできるというのに」
「深夜三時にパシリに行かせたらそりゃあ不機嫌にもなりますよ。しかし……」とヒデオは言葉をいったん区切り、「命ぜられたからには……やり遂げるだけだ」
 ヒデオの目つきが鋭くなり、纏う空気の質が変わる。
「とりあえず、ルールを教えてください。話はそこからです」
 
 
 
 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 神澤さんにコメント返信があります。

>神澤さん
 コメントありがとうございます。
 毛染め=ハゲ化
 染めているサイドからぐうの音も出ない事実ですね。
 実際頭皮に劇薬を塗っているわけなので、毛染めがハゲ化に拍車をかけていることは否定しようがありません。
 とりあえず今は、規則正しい生活をしてワカメを食べるという手段で僕も運命に抗っています。
 
 
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