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 真実

 エイジス島の中枢へと侵入したヒデオ達は巨像のようなノヴァを見つけた。
「これは……」
「で、でかい……」
 ノヴァのあまりの大きさにアリサとコウタが驚きの声を上げ、サクヤとソーマも大きく目を見開くがヒデオは既にブーストモードのため、その程度の衝撃では眉一つ動かさない。
「シオ!」とノヴァの額にシオが組み込まれているのを見つけたソーマが叫んだ。
 シオはピンクの外套を纏いピカピカと光っている。
 そのシオの隣には謎のアームに乗った支部長がいた。
「涙の手向けは、我が渇望する全てなり……か」
 手を後ろで組んだまま支部長は振り返る。
「ソーマ……、ずいぶんこのアラガミと仲が良かったようだな。それは愚かな選択というものだぞ、息子よ」
「黙れ……。てめえを親父と思ったことはない! シオを開放しろ!」ソーマがかぶりを振る。
 シオの身体が眩い光を放つとノヴァの各部も光を帯び始めた。
「よかろう……。”特異点”が手に入ったいま、”器”などに用はない」
 シオはノヴァからすっぽりと抜けて落下した。
 ソーマはシオを受けとめるため飛び出すが、紙一重で間に合わずシオの頭が床にぶつかり不吉な音を立てた。
 まあ、人間じゃないからたぶん大丈夫だろう。
 ヒデオはシオが落下し床へと至るまでの刹那の間で考察する。
 なぜ、支部長はシオを開放したのか。
 シオの存在にたとえ用はなくとも、価値はある。
 交渉の際のカードとして使える。
 それを自ら手放すことに何のメリットがあるというのだろうか。
 あるいは支部長は……、それはないか。
 ソーマはシオを心配そうに抱きかかえている。
 ヒデオは頭上の支部長をねめつけた。
「長い……、実に長い道のりだった。年月をかけた捕食管理によりノヴァの母体を育成しながら……世界中を駆けずり回り、使用に耐えうる宇宙船をかき集め……選ばれし千人を運ぶ計画が、今! この時を持って成就する! 今回こそ私の勝ちだよ、博士。そこにいるんだろう? ペイラ―」
 一同が振り向くとサカキはゆっくりと出てきた。
「……やはり遅かったみたいだね」
「我々は今この一瞬ですら、存亡の危機に立たされ続けているのだ!」
 上着を脱ぐ支部長。
「日々世界中で報告されている、アラガミによる被害などまだ緩やかなもの……。星を食らうアラガミ、ノヴァが出現し破裂すればその時点でこの世界が消え去るのだ!」
 ズボンを脱ぐ支部長。
「そのタイミングはいつだ? 数百年後か? 数時間後か? やがては朽ちる運命のエイジスに身を隠して終末を待つなど私はごめんだ」
 ついにはパンツまで脱ぐ支部長。
 サクヤは現実から目を背け、代わりにコウタが支部長に問う。
「何で下から脱ぐんですか?」
 アリサは両手で目を覆うがそこは年頃の女の子、当然異性の身体には興味があるわけで、指の隙間からまじまじと支部長を眺める。
「親父っ! せめて下着姿で勘弁してくれっ!」ソーマが絶望的な顔ですがる。
 ヒデオは睥睨するような冷徹な目で支部長の一挙手一投足を観察していた。
 目を逸らせばその瞬間相手に何をされるか分からない、それは神機使いの基本中の基本だが、この状況でそれを徹底できるものは殆どいないだろう。
「避けられない運命だからこそ、それを制御し選ばれた人類を次世代に向けて残すのだ!」
 やっとシャツを脱ぐ支部長だったが、もうここまで来てしまえばそれはどうでもいいことだった。
「君が特異点を利用し行おうとしていたことも、結局は終末を遅らせることでしかない、違うかね? 博士」
「どうかな?」
「一体……、何のことですか、博士?」
「私は……限りなく人間化したアラガミを生み出すことで”世界を維持”しようと考えた。完全に自律し、捕喰本能をもコントロールできる存在として育成していくことで、終末捕喰の臨海手前で留保し続けようと試みたのさ。そしてそのためにシオとキミたちを利用してしまった……。許してくれ」
 ヒデオは首を振り、
「僕があなたの立場なら同じことをするので気にはしていません」穏やかにそう言った。
 すまない、とだけサカキは答えた。
「アラガミとの共生か……。昔からそうだ、君は科学者としては随分とロマンチスト過ぎる。人間の行いを見れば分かるはずだ。欲望を、本能を抑え込んだ、真に自律的な人間など、これまで一人として存在しなかったことを!」
 朗々と語る支部長だったが、全裸で江頭みたいな横移動をされながらそんなことを言われても対応に困る。
 突っ込んであげるのが優しさなのか?
「そうかもしれない……。でもそういうキミも、人間に対してペシミスト過ぎたんじゃないのかい。あと友人として助言したいのだけど、反復横とびの方がソウルが揺れて良いんじゃないかな」
「少し違うな博士。たしかに私は人間という存在自体にはとうに絶望している。だが、私は知っているのだ。それでも人は賢しく生き続けようをすることを! アラガミやノヴァと何ら変わらない、その本能、飽くなき欲望の先にこそ、人の未来も拓かれてきたことを! それはそうとたしかに君の言う通り反復横とびの方がソウルが揺れるな」
 ソウルって……。
 ばっばばばっ、と高速で反復横とびをする支部長。
 それはもうソウルが揺れる揺れる。
「……支部長……」
「揺らがないでください。支部長は今、こちらのメンタル面に揺さぶりをかけています」
「ヒデオ考え過ぎ。単に変態なんでしょう」
「人の親父を変態って言うな」
 アリサに抗議するソーマだった。
「都市伝説に脱ぎ女っていうのがいるんだから、脱ぎ男もいても不思議じゃない」とコウタが言う。
「それ普通に変態でしょう」
「だから、人の親父を変態ゆーなよ」
 再びアリサに抗議するソーマ。
 こちらには十分に悪影響が出ている。
 なんとかしなければ。
 それにしても支部長、これが計算ずくなのだとしたら、たいしたものだ。
 ただの変態の可能性も高いけど。
「これ以上は平行線だね。ともあれ、シオのコア、終末捕喰の特異点が摘出されてしまっては、もう私に打つ手はない」
「私を欧州に仕向けてまで時間を稼ごうとしたようだがすでに勝敗は決していたんだ」
「フ……、やはり気付いていたのか……。時は、君に味方をしてしまったようだね……」
「そう悲しむことは無い。この特異点は、次なる世界の道標として、この星の新たな摂理を指し示すだろう。それは定められた星のサイクル。言わば神の定めたもうた摂理だ。そして……その摂理の頂点にいるものは、来るべき新たな世界にあっても”人間”であるべきなのだ。そう! 人間は、いや! 我々こそが”神を喰らう者”なのだ!」
 支部長の隣に異形が現れた。
「なるほど……。これで全てに合点がいったよ。どうして支部長が服を脱いだのか」
「どういうこと? ヒデオ?」アリサはヒデオに質問する。
「支部長はあの化け物に乗るために服を脱いだんだ」
「だから何で?」
「あれはたぶん自身をアラガミ化するための生体兵器。搭乗する際には、不純物となる衣服を脱がなければならないんだろう」
「でも、何もあんな重要な会話中に脱がなくても……」
「重要な会話だからだよ。重要な会話なら相手は話を聞くしかない。いちいち相手の準備を黙って待っている敵なんていないだろ。だから、その間に準備をした。実に合理的だ、ねえ博士?」
 サカキもヒデオの言葉に頷いた。
「でも、単純に脱ぎたかっただけかもしれないですよ?」と素朴な疑問をアリサは上げる。
「それじゃ、ただの変態じゃない」とサクヤ。
「もうあれか、あんたらの中じゃ俺の親父は変態確定なのか」ソーマが血を吐くように言った。
「そうでもないさ。ソーマも知ってるだろ? 支部長のギャンブル癖を」
「ああ、俺が毎日並ばされるあれか」
「そうだ。あれは支部長の裏の面の表の面に過ぎない。実際はそこの化け物でも作ってたんだろ。金の方は僕が調達させられたしね」
 やれやれ、と肩をすくめてヒデオは言った。
「なっ、ま、まさかそんな……」ヒデオに語られる真実にソーマは愕然とした。
「君は見てきたように言うんだな」と支部長はヒデオをじっくりと見据えながら言うが、
「これでもあなたの生き様は見てきたつもりですから」とヒデオも相変わらず挑戦的な態度を取る。
「しかし、これをひとめ見ただけでそこまで看破するとは、恐るべき洞察力。君は彼に匹敵するイレギュラーな存在だ。だがそれも、私の前では無為。かわし方が分かってもかわせない攻撃があることは君も十分承知だろう?」
「どうですかね」
「まあいい、君達にとっては時間の猶予もないだろう。では、開幕を告げよう」
「人が神となるか、神が人となるか、この勝負、とっても興味深かったけど負けを認めるよ。今や君はアラガミと変わらない……。でも君はそれも承知の上なのだろうね。科学者が信仰に頼るとは皮肉なことだが……。今は君たちを信じよう、ゴッドイーター達よ」とサカキは言った。
 
 
 
 
 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 コウママさん、HIROKIさんにコメント返信があります
>コウママさん
 コメントありがとうございます。
 読者の皆様のおかげで10000HITできましたが、ここで満足することなくもっといいものを書くために精進したいと思います。
 
>HIROKIさん
 いつもコメントありがとうございます。
 DSまさかの替え玉トリックで被害に遭われたHIROKIさんの心中お察しします。
 個人的には受験中でもゲームはありかなと思っている管理人ですが(馬の前にニンジンぶら下げるみたいに)、そういう考え方だからこんな結果になるんだよ、という気もしたりします。
 受験生のみんなは客観的に自分の行動を見ることが大切ですよ。
 
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