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 折れた心と折れた翼

 一体……いつまで続くのだろう。
 アラガミを殺すだけの日と電極をつけられるだけの日が。
 いつまで僕はこうしていなければならないのだろう。
 自分のために死ぬことも、仲間のために許されず、
 仲間のために死ぬことも、仲間のために許されない。
 まどろみの海で僕はなんとなくそんなことを考えていた。
「ヒデオ君、最近よく眠れてる? なんか顔色が悪いみたいだけど」
「よく寝れた日なんて一度もないですよ」僕は皮肉げにそう言った。
 そっか、とアネットさんはぎこちなく笑った。
 僕はアネットさんが持ってきてくれた朝食を食べる。
 食欲なんてものは全くなかったが、戦うためには、生き残るためにはエネルギーが必要だ。
 ガツガツと料理を胃に流し込む。
 食後にアネットさんに注射を一本打たれた。
「今日は何をするんですか?」
「ええっと、今日は戦闘実験がひとつだけ……ね。このところあなたも安定してきているから、問題なさそうね」
「鼻血が止まらなくなるのはなんとかなりませんか?」
 最も、他の仲間達に比べたらこんなものは誤差の範囲だ。
 僕も本気でそう言っているわけではない。
「実験は午後二時からだからそれまでは自由にしていていいわ」
 そう言ってアネットさんは僕の部屋から出て行った。
「……僕の部屋……か」
 僕は仲間達のことを考え俯いた。
 ほどなくして午後二時になり、僕は地下の戦闘実験場に行った。
 今日の相手は今まで見たことのない、今まで確認されたことのない、人のような不完全な身体つきのアラガミだった。
 なぜだろう、何か違和感を感じた。
 檻が下り閉じ込められる。
 ステージにはアネットさんはいない。
 敵アラガミが突撃してきたが、そんな直線的な動きは目を閉じていてもかわせる。
 僕はひらりと身をかわし反撃を入れようとしたが、身体がそれを躊躇した。
 とりあえず考える時間を作るために敵からできるだけ距離を取る。
「知能の方は完全に失われているようですね」
「構わん。兵器としては戦えればそれで十分だよ」
 ステージでの会話。
 声から判断するにこの前の白衣の男と博士、か。
 僕はここでひとつの仮説を考える。
 人間のアラガミ化とはなんなのか、ということを。
 一口に人間をアラガミ化させるといってもそこにはいくつかのパターンがある。
 人の形を保ったままアラガミの力を使えるようになるのか。
 アラガミの姿へ変貌しても人の自我を維持できるのか。
 一時的に肉体をアラガミへと変化させ力を振るえるようになるのか。
 あるいはそれらを複合することができるのか。
 僕は攻撃をかわしながら、このアラガミもどきを観察する。
 そして、決断する。
 仲間達を守るためにはこいつは殺すしかない。
 仲間を救うにはこいつを殺すしかない。
 僕が神機を振りかぶると、アネットさんの声が聞きこえた。
 彼女が鋼鉄の檻に張り付いていた。
「ヒデオ君、ダメっ! その子はあなたの仲間なのよっ!」アネットさんは叫ぶ。
 僕は神機を振り下ろした。
 アラガミもどきの血が花を咲かせたように舞った。
 僕の目から返り血に混じって涙がぼろぼろと零れていく。
 僕は自分に問いかけるように言う。
 アネットさん、僕は知ってたんですよ。
 必死に見ないようにしていたけれど、それが仲間の一人だということを知ってたんだ。
 僕が最初に感じた違和感は人間の匂い、そして……、僕達サンプルの左手首につけられたバーコードと数字が印刷されたバンド。
 そのバンドの持ち主は、このアラガミもどきは僕の向かいのケージに入れられていた彼女だった。
 神機が僕の手から滑り落ちがちゃんと音を立てた。
 もう元には戻せない彼女を苦痛から救うには殺すしかなかった。
 それが唯一の方法だということも分かっていた。
 でも、……でも、それでも、それで僕が彼女を殺していいわけじゃあないだろう。
 僕は膝をつき既に呼吸の止まった彼女の左手を握り嗚咽を漏らす。
「僕は……、僕は……」
 僕はもう、空は飛べないだろう。




 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、いさばやさん、ニケさん、HIROKIさん、いちごはニガテさんにコメント返信があります。

>いさばやさん
 コメントありがとうございます。
 AKB48の人気の秘密は人数ではないでしょうか。
 可愛い子が48人もいれば一人くらいはヒットするはず、みたいな。
 僕もAKB48はどうでもいいと思っている一人です。
 
>ニケさん
 コメントありがとうございます。
 ある意味隣の席にならないというのは幸運なのではないでしょうか。
 隣の席になってしまうと、授業中に好きな女の子を目で愛でることができなくなってしまいます。
 僕の個人的なおすすめの席は、好きな女の子の斜め後ろです。

>HIROKIさん
 コメントありがとうございます。
 HIROKIさんは一途なのですね。
 僕の場合好きな子が転校してしまうと、次の日には別の子を好きになっています。
 自分でも驚くほどの割り切りぶりです。

>いちごはニガテさん
 コメントありがとうございます。
 おはようございます、トキワです。
 人間興味のないものの違いを見分けるのは困難です。
 例えば、僕は車に全然興味がないので種類とか全く分かりません。
 何がどう違うのかも分かりません。
 まだ、年齢は大丈夫。
 僕的にもそういうことにしておきます。
 
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