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毒薬

 今一瞬意識が飛んでいたか。

 よりにもよってこんな状況であんなことを思い出すなんて、最悪だ。

 ヒデオの額からどろり、と血が流れ落ちる。

 目に入るのが鬱陶しい。

 ヒデオは何度も血を拭った。

 痛みを全く感じないのが危険だが、このレベルまでアラガミ化したことは初めてなので仕方がない。

 なんとかしこみも上手くいったし、あとはしばらく時間稼ぎをして様子を見ることにした。

 支部長の攻撃が少しずつ緩慢に見えるようになっていく。

 それに対し、こちらの攻撃の手ごたえは徐々にしっかりしたものになっていく。

 ヒデオは不敵に笑いながら的確にカウンターを極め、確実に支部長にダメージを与え続ける。

 支部長も一方的な展開に異変を感じたようだ。

「私に何をした?」

「さあ、何だろう? クイズの時間だ」

 ばらばらばらばら。

 長時間のアラガミ化によってヒデオの心が剥がれ落ちていく。

 ヒデオはだんだん自分が分からなくなっていく。

 僕は何をしているんだろうか?

 顔を苦痛で歪めながらヒデオは首を振り、

「アラガミを殺すのは神機だけではないということだよ」

「まさか……」

「そう、毒だよ」

「まさか……、いつ仕掛けた? そんな余裕があるはずがない」

「確かに余裕はなかったさ。ギリギリ上手くいっただけだ。あんたに一発食らったときに毒を仕込んだ」

 ヒデオと支部長の体重差、それを考えればそれはまさに賭けだった。

「今のあんたなら分かるはずだ。自分の細胞が死んでいくのが」

 

「博士、私に渡したいものって何ですか?」

「君はヒデオ君の過去を知っているようだから頼まれてくれないか」

 サカキはペンケースのようなものをポケットから取り出すとアリサに手渡した。

 アリサは好奇心からケースを開け中身を確認する。

 中には注射器のようなものが入っていた。

 見たことのないタイプだ。

「これは?」

「ヒデオ君が新兵器というものを準備していたのは憶えているね」

 アリサは頷く。

「その新兵器というのはアラガミ化を活性化させる薬だ」

 サカキの言葉にアリサの心中が激しく揺さぶられる。

「待ってください! ヒデオは……、ヒデオは……。あんな風に生きてきたのに。他には生きる道がなかったのに……。どうして……どうして博士はそんな酷いことをヒデオにするんですか?」

 アリサが熱くなりサカキの胸ぐらを掴み言い寄った。

 サカキは視線を落とし答える。

「僕だってそんなことしたくなかったさ。でも、彼が、ヒデオ君が望んだんだ。守りたいものを守れるだけの力が欲しいと……」

「……でも」

「だから僕はヒデオ君が一パーセントでも多く生きられるよう力を尽くした。その結果がオラクル細胞を破壊し、人の細胞を修復する薬、アラガミ化抑制薬だ」

「え? ならどうしてヒデオに直接渡さなかったんですか?」

「彼にはひとつ渡したさ。その予備がそれだよ。ヒデオ君に二つとも渡したら、彼はヨハンに……、支部長を助けるために二つとも使ってしまいそうだったからね。ひとつは僕が手元に置いておくことにしたんだ」

 アリサは膝が折れその場にへたり込んだ。

 ヒデオのことが分からない。

 あんなに同じ時を共有したのに結局自分は彼の本当の気持ちを理解できていなかったというのだろうか。

 そんなのってないよ。

「ヒデオ……、どうして……そんなことするの……」

「俯いている時間はないよ。それを彼に早く届けてあげなさい」

 アリサは立ち上がり駆け出した。



 拍手してくださる方、
 ありがとうございます。
 追記にて、
 timeroll さん、HITOKIさん、NC Muroさん、中庸さんにコメント返信があります。
 今回はたくさんのコメントをいただきありがとうございます。

>timeroolさん
 コメントありがとうございます。
 はじめまして、トキワです。
 社長は偉大でした。
 開講式でスピーチをされたのですが、聞いていていて全く苦痛に感じませんでした。
 中学とか高校の校長の話とはえらい違いです。
 各校長はもっと役に立つ情報を盛り込んだ話をしてくれればいいのに、と思いました。

>HIROKIさん
 コメントありがとうございます。
 とりあえず元気キャラでいっとけば鉄板かな、みたいな感じです。
 今は訓練序盤ということもありワードの授業をやっていますが、プログラミングが楽しみです。
 そして、僕のことですからいざプログラミングが始まると、こんな異界の言語分かるわけないよ、とか言い出すのです。

>NC Muroさん
 コメントありがとうございます。
 理解力に乏しい管理人ですが、何とか授業についていこうと今から地味に必死です。
 ワードは2007で学んだ僕、オフィスボタンがないと動揺します。
 クラスメート間の派閥に染まらないようにみんなと仲良くしていこうと思っています。

>中庸さん
 コメントありがとうございます。
 はじめまして、トキワです。
 自己紹介の際、「なるべく具体的に、現実的に話せ」という前振りがあったので、最初の人も冒険してみたんだと思います。
 僕も挨拶の重要性が分かる歳になりました。
 とりあえず好感度を上げておけばミスってもおおめに見てもらえる事ってあると思います。
 
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