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 コミュニティのお題小説です。

 ジャンル:恋愛モノ

 背景:ファンタジー

 テーマ:主従関係 

 

分厚い樫の扉の向こうから声がする。
「顔はいいが頭がおかしい女の子と、顔はおかしいが頭がいい女の子とではどちらを選ぶべきだろうか

 私はノックを3回すると、失礼します、と一声かけてから扉を開けた。
「いや、ここはおかしいイコール面白いとしてみてはどうだろうか。だめだ、面白い顔という時点で既
にイタい」
 とベッドに横になり毛布に包まっている少年はぶつぶつと独り言を呟いている。
「おはようございます、偽式さま。朝食をお持ちしました」
 偽式さまはやっと私の存在に気付いたらしく、毛布に包まったままごろり、と私に向き直った。
「なんだ、君か。おはよう」
 おはようございます、と私は返し銀のトレイにのった紙パックの豆乳を偽式さまに手渡した。
 偽式さまは上体を起こすと受け取った紙パックにストローをプッチンと刺しちうちうと飲み始めた。
「いったい朝から何をアホなことを考えていたんですか」
「アホなこととは心外な、僕はただ宇宙の真理について考えていただけだよ。有限の中の無限と、無限
の中の有限のどちらが大きいかということをね」
 そういうと偽式さまは金魚の水槽のようにぶくぶくをしはじめた。
「偽式さまももう十八なのですから王室直属の魔術師としての自覚を持っていただかなければ困ります

「おおっ! 逆流してきた!」
「って、人の話しは最後まで聞いてください。きちんとした朝食を取らないから朝から既にアホなので
すよ」
「ちょっと待ってよ」
 偽式さまは立ち上がると私にずずいと近付いた。
 さっきのカテゴリーでいうと偽式さまは頭が若干おかしいが顔が無駄にいいということになるので近くに寄られた私
はドキドキしてしまう。
「僕のことをなじるのは構わない。そういうプレイもあるからね」
 どういうプレイだよ。
「でもね、イソフラボンを侮辱するのは聞き捨てならないね」
 偽式さまの胸元から覗く漂白されたてのまな板ように白い肌とは対照的に、私は自分の頬が朱に染ま
ったのがわかった。
 私は一歩後退すると、
「た、確かにイソフラボンには罪はありませんね。アホなのはあくまで偽式さま単体ということですか
ら」
 そこは偽式さまの言う通りだった。イソフラボンがアホの原材料だったら既にこの国は沈没している

「今日はお城の方に行かれるのでしたね」
「うん。そういえば昨日そんなことを聞いたね」
 偽式さまが着替えを始めたので私は部屋の外に出た。
「後は一人でも大丈夫だから、君も自分の仕事に戻ってくれ」
 扉越しにかけられる言葉。
「いいえ、私の仕事はあなたのお世話をすることです。偽式さまは放っておけば、あっちにふらふらこ
っちにふらふらされるのですから」
 偽式さまはため息とついた。

「全く君にはかなわないな。君は他のメイドとは違うから、まあ仕方ないといえば仕方ないのかもしれないけれど」
 私は偽式さまがまだ物心つく以前から、このお屋敷に仕えている。そして、偽式さまが本当はどうい
う人間なのかも知っている。本当の彼は……。
 バタン、と扉が開いた。
 制服に着替えた偽式さまは私の前を歩き始める。
 私は何も言わずに彼に続いた。
 廊下を歩いていると、美少女の新人メイドとすれ違った。
 偽式さまは彼女に手を振って、
「いやあ、君は新しく入った娘かい? ちょっと休憩してお茶でもどうかな? きちんと休憩を取った
方が作業効率は上がるからね」
 少女はどぎまぎして困っているようだ。
 私は助走をするために少し後ろに下がると、偽式さまへとドロップキックを放つ。
「とう」
 私の攻撃をもろに喰らった偽式さまの体がくの字に折れる。
 偽式さまは苦悶の吐息を漏らすと、
「君は主に手を挙げるのか。ていうかメイド服でドロップキックをするのか」 冷静に突っ込む偽式さま。
「きょうびメイドならデフォルトでドロップキックくらい搭載していますよ。それに私は旦那様から偽
式さまの躾もことづかっていますから」
 偽式さまはかぶりを振ると、
「かわいい女の子とお茶を飲むくらいの権利は僕にだってある」と叫んだ。
「偽式さまが豆乳を零すから既に巻きなんですよ。自業自得です」
 駄々をこねる偽式さまをどうにか説得して、玄関まで送り届ける。
 玄関に着いたところで偽式さまは私の方を振り返り、
「ここまででいいよ」とやわらかな微笑でそう言った。
 彼は優しい目をしていた。
「いってきます」と偽式さまは言って。
「いってらっしゃいませ」と私は言った。

                                                            

 追記にてあとがきがあります。

 


 寝てしまうと次の日ということにして、ギリギリセーフということにしてみる。

 

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04/01|オリジナルコメント(2)トラックバック(0)TOP↑
この記事にコメント
なんとなく私の書いた「姫君と騎士~」と雰囲気が似てますね(^^)なんとなくですよ?
ちょっと頭がイッてる偽式なんかは私がなかなか書けないキャラです。
続編がありそうな雰囲気ですね、楽しみにしています。
From: いつき * 2010/04/02 19:54 * URL * [Edit] *  top↑
はっ!このブログはお笑い「トキワの逝こうぜ!お好み焼き〆足もこんがり」ではなかったのか……
From: ハタハタぶりっこ * 2010/04/03 16:32 * URL * [Edit] *  top↑
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